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カナダ

カナダは、北アメリカ大陸北部に位置し、10の州と3の準州からなる連邦立憲君主制国家。首都はオタワ。 アメリカ合衆国と国境を接する。国土面積はロシアに次いで世界で2番目に広い。イギリス連邦加盟国で、英連邦王国の一つである。

カナダは歴史的に先住民族が居住する中、外からやってきた英仏両国の植民地連合体として始まった。1763年からイギリス帝国に 包括された。1867年の連邦化をきっかけに独立が進み、1931年にウエストミンスター憲章で承認され、1982年憲法制定をもって政体 が安定した。

現在、政体は連邦制をとり、連邦政府の運営は首相を中心に行われている。一連の過程においてアメリカ合衆国と政治、 経済両面での関係が深まっている。

政治

1982年憲法第33条はカナダ憲法最大の特徴をなす。連邦議会・州議会の立法に対して最高裁が違憲判断を下したときでも、立法府 が譲らなければ違憲判決の発効を先延ばしできるのである。猶予は最長5年間だが何度も更新できる。

アメリカ合衆国よりも国民皆保険や医療費無料、公営企業重視といった社会民主主義的な要素が受け入れられているリベラルな国民性 を反映し、高福祉・高負担の施策がとられている。ただ、カナダ西部の内陸部はエネルギー産業で成り立つ保守主義の地盤であり、 福音派の影響が大きい地域もある。

リベラル気質の強い移民、有色人種の多い大都市圏とより保守的な白人社会である郊外や農村部との価値観の違いも少なくない。 また、ケベック州はナショナリズムの強い地域である。

政治体制

政体は立憲君主制である。公式にはイギリス国王が国家元首となる。形式的には カナダ総督がカナダ国王の代理を務め、また実質的な首長は、総選挙により選出される連邦政府の首相である。

法律

現行のカナダの憲法は「1867年憲法」と「1982年憲法」の二つから構成される。1867年憲法は政治制度などを定める統治規定が中心で、 1982年憲法は二言語・多文化主義、ケベック州の特殊性・原住民居留地の特殊性などの人権規定が中心である。 アメリカ合衆国と異なり、刑法が連邦の管轄である。死刑制度は存在しない。

1989年のモントリオール理工科大学虐殺事件をきっかけに銃規制が強化されており、拳銃の携帯については一般には認められておらず、 拳銃を携帯できるのは警察、軍、司法関係と現金輸送を行う民間業者など非常に限られている。 農村部を中心に狩猟が非常に盛んであり猟銃の保持率は高いが、銃を使った犯罪発生率はきわめて低い。

行政

政府は議院内閣制を採用している。カナダは、歴史的に各州の合意により連邦が設立された経緯があることから州に大幅な自治権が 認められており、それぞれの州に首相、内閣および議会がある。このためカナダにおける政治とは、州政府対連邦政府の 駆け引きそのものということもできる。

立法

立法府たる議会はオタワに所在し、カナダ議会は上院定数105名、下院定数338名の二院制を採用している。

政党

おもな政党には中道右派・保守主義のカナダ保守党、中道左派・リベラリズムのカナダ自由党の二大政党と、中道左派・社会民主主義 政党の新民主党、ケベック州の地域政党である左派のブロック・ケベコワ、環境保護主義のカナダ緑の党がある。

国際関係

カナダは英連邦に加盟している。カナダは世界の先進7か国(G7)および主要8か国(G8)のひとつである。

軍事

カナダは1950年代から1990年代にかけて数多くの国連平和維持活動に参加し、集団安全保障体制を望んでいたが、キューバ危機のあと NATOへ急接近した。2001年にはNATO主導のアフガニスタン紛争にも派兵している。一方で、2003年のイラク戦争への参加は拒否した。

地理

カナダの国土は北アメリカ大陸の北半分を占める。南および西はアメリカ合衆国と接する。東は大西洋、デイビス海峡、西岸の一部 は太平洋、北はボーフォート海、北極海に面する。国土の中央部のウィニペグ湖からロッキー山脈にかけては、広大なプレーリー地域である。 水路となる五大湖の北にはカナダ楯状地が広がる。

ロシアに次いで世界で2番目に広大な国土を持つ国であり、北アメリカ大陸の約41%を占めている。そして、海岸線の長さは世界一である。 なお、カナダの領土の54%は森林で占められている。ノースウエスト準州北西は湿地帯であり、地面や湖が凍る冬季でないと車両の通行が困難である。

人口密度は3.2人/km2で、国土の多くは北極圏内にある。人の住める地域は面積に比して少ない。カナダ人の80%はアメリカ合衆国との 国境から200キロ以内に住んでおり、人口の約40%がオンタリオ州に集中している。人口がもっとも多い地域は五大湖、 セントローレンス川周辺である。大半のカナダ人は、アメリカ合衆国とカナダ国境線に沿って約500キロ幅の細長い帯状に住んでおり、 それより北は人口が極端に少ない。

気候

太平洋側の西海岸沿岸部を除き、ほぼ全域が亜寒帯・寒帯に属する。 バンクーバーやビクトリアなどが位置する西海岸の沿岸部は暖流の影響で温帯の西岸海洋性気候に属し、夏は涼しく乾燥していて 過ごしやすく晴れる日が多いが、冬は温暖で雨が多い。北米屈指のスキーリゾートのウィスラーなどが位置するロッキー山脈の西側の 山岳地帯は世界有数の豪雪地帯となっている。

経済

IMFによると、2010年のカナダのGDPは1兆5,636億ドルであり、世界第9位である。20世紀初めまで経済の主体は 農業だったが、モントリオールやトロントが金融センターとなり、現在では世界有数の先進工業国となった。 工業は自動車産業や機械産業が成長し、近年はIT産業が発展してきている。

カナダでは唯一の発券銀行として中央銀行のカナダ銀行があり、通貨カナダドルを発行・管理している。1ドル=100セントである。 カナダは京都議定書に署名はしたものの2011年12月に脱退を表明した。2009年の気候変動実績指標では最下位のサウジアラビア に次ぐ59位であり、二酸化炭素排出量は10年前より25%も増えている。

鉱業

王有の鉱山会社CBDC があるほど力を入れている。 鉱物資源に非常に恵まれており、世界シェア10位に入る鉱物が17種ある。

カナダは第二次世界大戦のころ、ベルギー領コンゴやチェコスロバキアと並ぶ世界的なウラン供給国であった。2000年においては 日本の天然ウラン輸入元における取引額1位であった。

貿易

最大の貿易相手国はアメリカで、輸出の5分の4以上、輸入の約3分の2を占める。鉱物、木材、穀物は現在も重要な輸出品だが、近年は 工業製品が中心となっている。アメリカへの輸出品で最多のものは、自動車と関連部品である。1989年にアメリカとのFTAが発効し、 1994年にはメキシコも加わってNAFTAが結ばれた。

アメリカ以外の主要輸出相手国は日本、イギリス、中国、メキシコ、ドイツ、イタリア、主要輸入相手国は中国、メキシコ、日本、 イギリス、ドイツである。主要輸出品は、自動車および自動車部品、精密機器、原油、天然ガス、金属および金属製品、 産業用機械、通信機器、化学製品、木材、パルプ、小麦、魚類、メープルシロップなど。 輸入品は自動車部品、自動車、機械、化学製品、コンピューター、原油、通信機器などである。

国民

カナダの人口は連邦化時点から単調増加を続けている。カナダでは社会保険番号が国民識別番号として運用される。 2011年国勢調査によると、ヨーロッパ系白人が76.7%、黒人2.9%、先住民4.3%、中南米系やアジア系などを含むその他が16.2%となっている。

その他の内訳は東アジア系(4.8%)、南アジア系(4.8%)、東南アジア系(2.8%)、西アジア・アラブ系(1.8%)、ラテンアメリカ系(1.2%)、 混血(0.5%)、その他(0.3%)となっている。リベラルな国民性も合わせて人種には寛容な姿勢を示している。

言語

カナダにおける英語と仏語使用地域。黄色は英語、茶色は仏語、薄茶色が両言語使用地域、白色は人口希薄地域を表す 英語とフランス語が1969年に制定された公用語法によって認められている公用語である。

カナダ国民は、十分に需要がある場合には連邦政府の行政サービスを英語またはフランス語にて受ける権利があり、公用語の少数派側であっても、すべての州・準州 にて教育を受ける権利が保障されている。

このような少数派側の権利は、民間サービスの隅々にも及んでいる。たとえば航空機の場合、旅客機内にフランス語を母語 とする乗客が常時5%以上いる定期便では、航空会社は英語とフランス語の両方で機内サービスを提供するよう法律で定められている。

2006年国勢調査 によると、国民の約58%が英語、約22%がフランス語を第一言語としている。約98%が英語かフランス語のどちらか を話す。

婚姻

カナダでは、2005年7月20日に「市民結婚法(Civil Marriage Act)」が成立し、結婚を「すべての他人を除外した2人の人物 の合法的な連合」と定義している、つまり異性間の結婚と同性間の結婚に区別がなく、現在世界でもっとも容易に同性結婚 をすることが可能である。

宗教

2001年の国勢調査によると、キリスト教徒が多数(77%)を占める。内訳はアングロアメリカ圏でありながら、カトリックが43.2% ともっとも多い。次にプロテスタントが29.2%、正教会・東方諸教会が1.6%となっている。 プロテスタントの力が政治的にも文化的にも強い影響力を持っているアメリカ合衆国と比べると、カナダはより世俗的である。

医療

各州が運営するMedicareにより、一般税収を原資とした公費負担医療が実施されている。診察などは無料提供されているが、 薬剤などを含む医療費における自己負担率は30%ほどである。

国土問題

カナダ国内では、これまで同国の連邦からの脱退や独立を要求する等の様々な動きが生起している。 また、歴史上では隣国併合主義を唱える者も現れており、カナダ本土を米国へ併合する為の運動も過去に起こされた事がある。

治安

カナダは一般的に「治安が良い」と言われているが、犯罪発生率が日本の約5倍の水準と なっているのが現状である。

一般犯罪は空港やホテル、レストラン等で旅行者を狙ったスリや置引き等が多発している。同国は米国ほど銃器の所持が自由 ではないものの、米国と国境を接している為に銃の密輸が後を絶たず、銃器を使用した強盗等が増加傾向にあり、在留邦人 が銃器で脅される被害も発生している。

最近ではギャング絡みの発砲・暴力事件も発生している他、夜間に銃器や刃物で 通行人を脅したり背後から襲い暴行を加えた後に所持品を奪うといった事案も発生している為、滞在時における外出は安易に行わないよう用心する必要が 求められる。

人権

人権に対する法案や制度は第二次世界大戦以前や同大戦時まで深く注目されていなかったが、終戦と共に見直されている。

文化

カナダの文化はしばしば「進歩的、多様で、多文化主義的」とされる。先住民の文化から、移住してきたヨーロッパ系の文化、 さらに近年のさまざまな国からの移民の持ち込む幅広いものが含まれ、混じり、重なり、形成されている。その中で政治的にも 多文化主義が憲法で守られ、政策的にも推進されてきた。

ケベックでは文化アイデンティティーは強く、仏語話者の評論家はケベック文化は 英語圏と違った独自性を持つと強調する。しかしながらカナダは全体として、「文化のモザイク」を形成しているとされる。

国の政策でもユニバーサルヘルスケア、富の再分配のための高い税金、死刑廃止、貧困撲滅への努力、多文化主義推進、厳しい銃規制、 同性結婚合法化などが挙げられ、カナダの政策や文化上の社会的価値観を反映している。カナダ料理の多様性は、 カナダの経済社会がサラダボウル化していることを特に分かりやすく表現している。

文学

『赤毛のアン』の作者L・M・モンゴメリはカナダの文学者である。またサイバーパンクSF作家であるウィリアム・ギブスンは アメリカ合衆国出身だが、徴兵を拒否しカナダに移住したため、「カナダの作家」として扱われることがある。また、 マーガレット・アトウッドもカナダの作家である。

音楽

カナダの音楽は先住民族やヨーロッパからの移民をはじめとし、さまざまな人々によって創造・継承されてきた。1600年代以降より、 カナダでは国際的に著名な作曲家、演奏家などの音楽家を輩出してきた。

17世紀以降では教会や集会所、邸宅の大広間、学校、コンサートホール、レコード会社、ラジオ・テレビ局などさまざまな音楽のインフラが形成されてきた。 これらの音楽はアメリカ合衆国からの影響を大きく受け ながらも、「カナディアン・ロック」というジャンルを生み 出した。

クラシック音楽の分野では、20世紀半ばに活躍したマレイ・アダスキン、ジョン・ワインツワイグなどが著名である。また、 モントリオール交響楽団はシャルル・デュトワが指揮者を務めている間に実力を高め、北米大陸屈指のオーケストラとして知られるようになった。

作曲家のマリー・シェーファーはサウンドスケープの提唱者であり「魔法の歌(マジック・ソングズ)」「ガメラン」などの 作品がある。

そのほか、カナディアン・カントリーミュージック賞、ケベック音楽に授与されるフェリックス賞など、さまざまなジャンルの音楽 に授与される音楽賞が設けられている。

美術

ビル・リードの1980年の作品『ワタリガラスと最初の人類』。ワタリガラスは先住民に共通した伝説に伝わる動物である

映画

カナダは公用語として英語とフランス語の両方を採用しており、両言語の映画が制作されている。なお、カナダにおける映画制作 のおもな拠点となっているのは、トロント、モントリオール、バンクーバーである。このうち、モントリオールではモントリオール 世界映画祭という、比較的名の知られた映画祭が開催される。

世界遺産

カナダ国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が5件、自然遺産が6件存在する。さらにアメリカ合衆国にまたがって 2件の自然遺産が登録されている。

カナダの山

スポーツ

カナダの国技であり、最も盛んな競技アイスホッケーカナダはイギリス連邦の一員であるが、スポーツ文化においては旧宗主国 であるイギリスの影響は薄い。隣国のアメリカ合衆国とも一線を画す独自のスポーツ文化が存在する。 他にカナディアンフットボール、バスケットボール、サッカー、野球、モータースポーツ、ウィンタースポーツが盛んである。