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デンマーク

デンマークは、北ヨーロッパに位置し、バルト海と北海に挟まれたユトランド半島およびその周辺の多くの島々 からなる立憲君主制国家。自治権を有するグリーンランドとフェロー諸島と共にデンマーク王国を構成している。

北欧諸国の1つであり、北では海を挟んでスカンディナヴィア諸国、南では陸上でドイツと国境を接する。首都のコペンハーゲンはシェラン島に位置している。海外領土でない領土 を大陸部分に領有しながら首都が島嶼に存在する国は、デンマークと赤道ギニアのみである。

ノルディックモデルの高福祉高負担国家であり、OECD各国中で最も個人所得税の高い国である。市民の生活満足度は世界最高クラスで、 2014年の国連世界幸福度報告では幸福度第1位であった。

様々な角度からのウェルビーイングは最高レベルであり、世界で最も社会的流動性が高く 、 世界で最も腐敗が少なく、男女の賃金差はOECD中最小であった。 社会はグローバル化とデジタル化が進んでおり、それは家庭と企業活動において 多大な利益をもたらしている。デンマークは欧州において最もデジタル化された社会である。

政治

憲法

デンマーク王国憲法は1849年6月5日に制定され、最後の改正は1953年に行なわれた。この改正では上院が廃止され、女性も王位を継承できるようになった。 この改正で現女王、マルグレーテ2世が王位継承者となり、1972年に即位した。

ただし、女性が王位を継げるのは他に男子が居なかった場合にのみ許されるということで、 2009年6月7日の国民投票により、ようやく無条件で女子が王位を継承できることとなった。

上院を廃止したため、下院のみが存続を許された。現在のデンマーク貴族は法により免税特権がある。 成文憲法を長期間改正していない国としては日本に次いで2番目である。

国際関係

日本との関係

日本に訪れた最初のデンマーク人は幕末にフランス海軍へ出向していたエドゥアルド・スエンソンである。彼は1866年から1867年の間、フランス公使レオン・ロッシュに付き従い、 ロッシュと徳川慶喜の会見にも陪席した。

スエンソンはこのときの様子を『江戸幕末滞在記』に著しており、「外国から見た幕末維新の歴史」を知る貴重な資料になっている。

1867年に日本とデンマークの間で「修好通商航海条約」が締結されたのが両国の国交樹立とされている。 1871年、大北電信会社が日本に初めて海底ケーブルを陸揚げする。

このときスエンソンは大北電信会社創業者のカール・フレデリック・ティットゲンに経験を見込まれて日本 に派遣されている。

1873年(明治6年)4月に岩倉使節団がデンマークを訪問しており、当時のコペンハーゲンの様子が、『米欧回覧実記』に一部イラスト入りで、詳細に記されている[9]。 1957年にフレゼリクスハウン出身のヨハネス・クヌッセンが和歌山県沖での海難救助活動中に殉難した。

日本の船員を救おうとして殉難したクヌッセンの行動は、当時の日本で 大きな話題となり、その勇敢な行動は顕彰され、日本とデンマークの友好と交流の象徴として語られる。

デンマーク在住の日本人は2014年10月現在、1,509名。日本在住のデンマーク人は2014年6月現在、485名となっている。

軍事

18歳から32歳までの男子を対象にした徴兵制が敷かれている。現在の兵役期間は4か月となっている。ただし、4か月経過後に希望者は期間延長が可能。 なお、良心的兵役拒否が認められており、代替役務が制度化されている。

国防軍はデンマーク陸軍、デンマーク海軍、デンマーク空軍およびデンマーク郷土防衛隊の4軍体制である。兵員数は2万5000人。それに加えて、 予備役1万2000人と郷土防衛軍5万1000人がいるので、有事の際には合計8万8000人ほどまで兵力を準備できることになっている。

平和維持活動にも積極的に参加しており、KFORに380人、アフガニスタンのISAFに700人、海軍の最新鋭艦アブサロンがソマリア沖 の海賊退治のためにジブチを拠点に展開している。イラク戦争にも参戦し、最大500人の兵士が終戦後の復興支援活動にも従事したが、2007年に撤退している。

総兵力は少ないの にもかかわらず、国際平和維持活動や対テロ戦争に多くの人員・物資を供給し、また兵士の質の高さから、国際社会からは高い評価を受けている。

地理

デンマークはユラン半島と443の島から成り立っている。中でも重要なのは古都オーデンセのあるフュン島とコペンハーゲンを擁するシェラン島。 また、シェラン島の南にはファルスター島、ロラン島が、フュン島の南にはエーロ島などがある。

多くの島が橋で結ばれていて、コペンハーゲン があるシェラン島とスウェーデンもエーレスンド橋で繋がっている。そのエーレスンド橋とスウェーデンの陸地を経由してさらにフェリーに 乗るとコペンハーゲンから東南東に150キロメートル離れたボーンホルム島に辿り着く。

この島は位置的にも歴史的にもデンマークの多くの島とは際立って異なる。 デンマークの国土はおおむね平坦である。最高地点は173メートルであるが、これは青銅器時代に造営された人工的な地形である。 本来の最高地点はモレホイの171メートル。

北大西洋海流の影響で気候は穏やかで、温暖な冬と涼しい夏がある。降水量は少なく、年降水量は約745ミリで、世界平均の約880ミリより少ない。 このため雪が降り積もることもほとんど希である。 赤道ギニア・イギリスとならび、大陸部に領土を保有しているにもかかわらず、島に首都が存在する国である。

経済

IMFによると2015年のGDPは2,950億ドル。2016年の一人当たり国民総所得(GNI)は56,730ドルで世界第5位となっている。

コペンハーゲンはデンマーク経済の中心であり、北欧屈指の世界都市であるデンマークの企業としては、高級オーディオメーカーのバング&オルフセン、 知育玩具のレゴや陶磁器のロイヤルコペンハーゲン、コンフォートシューズのエコー、ミニバラの 世界的ナーセリーとして知られるポールセンローズや製薬のノボノルディスクなどが有名である。

マーメイドの象

海運大国としても知られ、世界最大のコンテナ船企業、 APモラー・マースクグループの発祥地であり世界本社所在地でもある。

主な輸出物は運送機械部品(26%)、化学製品(20.3%)、食品・家畜(17%)。農業輸出国としても有名であり、日本との貿易では日本の輸入 の約半分を豚肉が占める。デンマークはEU加盟国であるが、国民投票の結果でユーロには参加していない。

他の北欧諸国と同様に、デンマークはノルディックモデルを採用しており、これは自由市場資本主義、包括的福祉国家、強い労働者保護の組み合わせである。

デンマークでは積極的労働政策にGDPの2.05%を公費投入しており、これはOECD平均の4倍、EU平均の3.5倍である。

フレキシキュリティ(flexicurity)モデルの採用により、デンマークは欧州で最も自由な労働市場となっており、これは世界銀行によれば、デンマークでは雇用主は労働者を 必要な時に雇用・解雇可能であり、次の仕事の間までの失業給付は相対的に高いという。

OECDによれば、失業者の短期から長期への転換率は、OECD平均では53%であったが、デンマークでは65%であった 。デンマークにおいてビジネスの創業は、 ほんの数時間で、非常に低コストで行うことが可能である。 デンマークでは時間外労働に対しての規制はなく、 これは企業は24時間365日オペレーション可能であることを意味する。

デンマークでは、15-64歳の雇用率は74.2%であり、 これはOECD諸国で9番目に高く、OECD平均の67.8%を上回っている。2017年の失業率は5.7%であり、これは構造的最低ラインの水準であるか、 それ以下であるとみなされている。

資源・エネルギー

デンマーク本土の鉱業は、北海油田に由来する有機鉱物資源が中核となる。 1960年代に到るまでデンマーク鉱業は、石灰石や砂利の生産を主体としていた。 一方、グリーンランドは豊富な金属鉱床に恵まれている。

北海油田による石油・天然ガスの供給があり、輸出も行われているなどエネルギー資源には恵まれている。このほか、風力発電が盛んであり、 1980年代より組合を設立して個人で共同所有する方式で多数が建設された。

2004年時点で約15万世帯が約5,500基の風力発電機を共同所有している。2006年における発電設備能力 は3,136.6メガワットであり、電力供給量の約2割を占めている。

国民

約9割がデンマーク人1割がその他。

言語

デンマーク語が事実上の公用語で、フェロー諸島とグリーンランドではそれぞれフェロー語とグリーンランド語がつかわれている。 ドイツに近い所では、ドイツ語も使われる。またデンマーク人は英語も話す人が多い。

婚姻

婚姻時に、自己の氏を保持することも、配偶者の氏に変更することも、配偶者の氏をミドルネームとすることも可能。 1981年までは、特段の書類による定めによらない限り夫婦は同氏とされていたが、1981年の法改正で婚姻前の氏を用いることを原則とし、 届け出によって氏を変更する、とされた。氏は祖父母の氏や許諾を得た別人の氏を用いることも可能。2012年には同性婚も可能になった。

宗教

2018年の調査で、国民の75.3パーセントがデンマーク国教会に所属するキリスト教徒であった。カトリック、 他のプロテスタントのキリスト教徒もあるが、デンマークのイスラム教信者が約4~5パーセントになり、イスラム教が第二の信者数の宗教となっている。

医療

平均寿命は80.9歳。 医療制度は社会保険ではなく、一般税収を原資とするユニバーサルヘルスケアが実現されている 。GDPの11%が医療に投じられ、平均寿命は81歳、国民294人あたり1人の医師がいる。患者満足度はOECD平均よりも高い。総合診療医(GP) は一人あたり約1,300人の患者を受け持っており、プライマリケアへ24時間アクセスが可能である。

登録したGPへの受診の場合は、患者に自己負担は生じない。制度 はデンマークの地方行政区画(レギオナ)レベルにて地方分権的に運営されており、原資の大部分が地方自治体の税収であり、医療は自治体行政の最重要政策の一つである。 保健サービスは中央政府および自治体レベルの両方で課税される国民保健税を主な原資としており、レギオナレベルでは課税権を持たない。

肥満になる人の割合が大きくて対策が求められている。 課題としては、医師・看護師の給料が低いことから、医療従事者の慢性的不足に悩んでいる。そのため、がんなどの特殊な症状に迅速に対応できないという問題を抱えている。

社会福祉

ノルディックモデルの高福祉高負担国家であり、高齢者福祉や児童福祉が充実しており、国民の所得格差が世界で最も小さい世界最高水準の福祉国家である。市民の生活満足度は国連世界幸福度報告では第1位(2014年)、OECDの人生満足度ではスイス、ノルウェーに次いで第3位、世界幸福地図では世界178ヵ国で第1位、世界価値観調査 での幸福度(Happiness)はアイスランドに次いで第2位(2005年)であった。

市民の95%は、支援が必要になった際に誰かに頼ることができると考えている。 なおGDPに占める税収比は48.6%とOECD各国で最大で(2013年)、地方所得税は平均32.7%。2014年でのVATは25%である。平均所得者の場合では、 所得税は28%、社会保険料は10.7%となる。

デンマーク人は高い生活水準を享受しており、デンマーク経済は広範な福祉国家制度によって特徴付けられる。デンマークの法人税率は22%であり、駐在員向けの期間が限定される 特別税制がある。

デンマークの税制は広範囲なもので、物品税、所得税、その他の手数料に加え、25%の付加価値税(VAT)が課される。2017年においてはGDPの46%が税収となった。

デンマークの税収構造はOECD平均と異なっており、2015年では、個人税による税収がOECD平均よりも高く、法人所得税、配当税、資産税などはOECD平均よりも低い。なお社会保険料の拠出はゼロである。 給与税、付加価値税(VAT)、その他の物品税収入はOECD平均並みである。

税による所得移転がなされた結果、貧困線以下で生活する人口は2014年には6%であった。デンマークの相対貧困率はOECDで2番目に低く、OECD平均の11.3%を下回っている。十分な食料を 購入する余裕がないと感じていると報告している人口の割合は、デンマークはOECD平均の半分以下である。

デンマークは、他者の人権の受け入れ、汚職の少なさ、情報の自由な流れ、良好なビジネス環境、高いレベルの人的資本、資源の公平な配分、十分に機能する政府、および近隣諸国との 良好な関係によって決まる2022年の「積極的平和指数」で世界第2位を獲得した。特に、デンマークは「汚職の削減」で世界第1位、「近隣諸国との良好な関係の構築」で世界第1位を獲得している。

移民対策

アジア、中東からの急激な移民増加を受けて社会問題が発生した影響で、欧州一とも言われる厳格な移民法が成立して施行されている。 現在、デンマークへの新規移住は不可能ではないが難易度が高いとされる。婚姻による移住も厳しい審査が実施され、居住許可が下りないことも多い。

治安

デンマークは日本に比べると犯罪発生率が高い。同国内の犯罪発生件数は、2019年中は339,365件と前年から約1万件減少しているものの、 日本の刑法犯認知件数748,559件(2019年中)と比較した場合、犯罪発生率が非常に高い状況に変わりはない状況となっており、滞在においては常に警戒態勢を取らなくてはならないのが 現状である。

文化

子どもたちには、アンデルセン童話でおなじみのハンス・クリスチャン・アンデルセンの母国としてなじみがある。また、コペンハーゲンの有名な 遊園地チボリ公園も、それを模したものが岡山県の倉敷市に倉敷チボリ公園として日本国内にも存在していた。これとは別に、千葉県船橋市には、ふなばしアンデルセン公園がある。

今日のデンマークの文化や政治のあり方に大きな影響を及ぼした教育者、ニコライ・グルントヴィが提唱して普及した教育制度にフォルケホイスコーレ があり、世界のフリースクール運動に大きな影響を及ぼしている。日本の東海大学も、その出発点はこのフォルケホイスコーレをモデルにして発足している。

スポーツ

スポーツではサッカーが盛んで、代表は1992年欧州選手権で優勝している。日本の川口能活は一時期、デンマークのサッカークラブノアシェランに所属していた。 2010 FIFAワールドカップのグループリーグにおける日本の対戦国でもあり、2002 FIFAワールドカップでデンマーク代表のキャンプ地となった和歌山県和歌山市では デンマークを応援する「和歌山ローリガンズ」が存在する。

また伝統的に自転車競技が盛んで、ロードレースにおいてUCIプロツアーチームでビャルヌ・リース率いるチーム・サクソバンクはデンマークを本拠としているチームである。 そのほか、セーリングの強豪国でもある。

陸上競技800m世界記録保持者であるウィルソン・キプケテルも、ケニアからデンマークに移籍後に実績を残した選手である。