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ドイツ

ドイツ連邦共和国は、中央ヨーロッパ西部に位置する連邦共和制国家。首都および最大の都市はベルリン。南がスイスとオーストリア、 北にデンマーク、西をフランスとオランダとベルギーとルクセンブルク、東はポーランドとチェコとそれぞれ国境を接する。

欧州大陸における政治的・経済的な主要国であり、歴史上、多くの文化・科学・技術分野における重要な指導国でもある。人口は約8300万人で、 これは欧州連合において最大である。同国は限定的主権を有する16の州によって構成される。国土の総面積は35万7386平方キロメートルであり、 主に温暖な気候に属する。

ドイツ経済の規模は、対米ドル名目為替レートによって計算される米ドル建て名目GDPで世界第4位であり 技術及び産業分野における世界的なリーダーとして、世界第3位の輸出国かつ世界第3位の輸入国である。

世界最古のユニバーサルヘルスケア制度を含む、包括的な社会保障を特色とする非常に高い生活水準が実現されている先進国である。 豊かな政治及び文化の歴史で知られ、影響力ある多数の芸術家、音楽家、映画人、哲学者、科学者及び技術者、起業家の故国である。

1993年に欧州連合へ発展した1957年の欧州諸共同体の原加盟国であるほか、1995年以来シェンゲン圏の一員で、1999年以降はユーロ圏の一員でもある。 また、国際連合、欧州評議会、NATO、G7、G20、OECDの主要なメンバーであり、欧州の大国「ビッグ4」や列強の一国に数えられる。アメリカ合衆国に次ぎ、 ドイツは世界第2位の移住地である。

ドイツは西欧および中欧に属し、北にデンマーク、東にポーランドとチェコ、南にオーストリアとスイス、南西にフランスとルクセンブルク、 そして北西にベルギーとオランダとそれぞれ国境を接しており、国土はおおよそ北緯47 - 55度、東経5 - 16度の範囲に位置している。

総面積は35万7022平方キロメートルに及び、領土34万8672平方キロメートル、領海8350平方キロメートルからなる。この面積はヨーロッパ第5位、 世界第64位である。おもな天然資源は、鉄鉱石、石炭、炭酸カリウム、木材、褐炭、ウラン、銅、天然ガス、塩、ニッケル、可耕地と水である。

ドイツの大部分はケッペンの気候区分でいう西岸海洋性気候に属し、温暖な偏西風とメキシコ湾流の北延である北大西洋海流の暖流によって緯度の割には 比較的温和である。温かい海流が北海に隣接する地域に影響を与え、北西部および北部の気候は海洋性気候となっている。降雨は年間を通してあり、 特に夏季に多い。冬季は温暖で夏季は冷涼になる傾向がある。

動植物は中央ヨーロッパにおいて一般的なものである。ブナ、カシ、およびその他の落葉樹が森林の3分の1を構成しており、また針葉樹が植林の結果、 増加傾向にある。トウヒとモミの木が高地山脈を占めている一方で松やカラマツを砂質土で見出だせる。シダ、花、菌類、 そしてコケの多くの種がある。野生動物にはシカ、イノシシ、ムフロン、狐、アナグマ、ノウサギ、そして少数のビーバーが含まれている。

国立公園が多く存在する。ドイツ国内では400以上の動物園が運営されており、世界最多とされる。ベルリン動物園はドイツ最古の動物園であり、 ここには世界でもっとも多くの動植物種が収集されている。

政治

ドイツは連邦制、議院内閣制、代表民主制の共和国である。ドイツの政治システムは1949年に発効されたドイツ連邦共和国基本法の枠組みに 基づいて運営されている。基本法改正には両院の3分の2の賛成を必要としており、このうち「人間の尊厳の保証」「権力の分割」「連邦制」そして 「法による支配」といった基本法諸原則は「永久化」され、侵害は許されない。

連邦大統領は国家元首であり、おもに儀礼的な権能のみが与えられている。大統領は任期5年で、連邦議会議員と各州議会代表とで 構成される連邦会議によって選出される。大統領は連邦議会の解散権を有する。大統領に次ぐ序列は連邦議会議長であり、連邦議会によって選出され、 議会運営の監督責任を持つ。

序列第3位であり、政府の長となる地位が連邦首相である。連邦議会で選出されたあとに、議長によって任命される。首相は任期4年で 、行政府の長として行政権を執行する。内閣の閣僚は首相の指名に基づき、大統領が任命する。 連邦の立法権は連邦議会と連邦参議院が有し、この両院で立法府を構成する。

司法

ドイツはゲルマン法の要素を加えたローマ法を基礎とする大陸法を法律において採用している。憲法に関しては第二次世界大戦後の1949年に 西ドイツでドイツ連邦共和国基本法が暫定的な憲法として定められたが、ドイツ民主共和国憲法を制定していた東ドイツとの 統合後も正式憲法は制定されず、共和国基本法が継続している。

司法機関については連邦憲法裁判所が違憲審査権を有する憲法に関する事項の最高裁判所として機能している。

国際関係

アンゲラ・メルケル首相は、2007年ハイリゲンダムG8サミットの議長を務めた ドイツは190か国以上との外交関係を結び、229か所の在外公館を有している。

2011年現在、ドイツは欧州連合(EU)への最大の分担金拠出国であり(拠出額20%)、国連(UN)に対しては第3位の分担金拠出国である。 ドイツは北大西洋条約機構(NATO)、経済協力開発機構(OECD)、主要国首脳会議(G8)、G20、世界銀行、国際通貨基金(IMF)に加盟している。

ドイツは欧州連合発足当初から主要な役割を果たしており、また第二次世界大戦以降はフランスとの緊密な同盟関係を保っている。

ドイツは欧州の政治および安全保障面での統合を推進する努力を続けてきた。 ドイツの政府開発援助政策は外交政策における独立した分野となっている。政策は連邦経済協力開発省(BMZ)が策定し、関係各機関が遂行する。

ドイツ政府は開発援助政策を国際社会における共同責任と位置づけている。ドイツの開発援助支出額は米国、フランスに次ぐ世界第3位である。

ドイツは、近隣諸国との良好な関係、汚職の少なさ、情報の自由な流れ、良好なビジネス環境、高いレベルの人的資本、資源の公平な配分、 十分に機能する政府、および他者の人権の受け入れによって決まる2022年の積極的平和指数で世界第9位を獲得した。特に、ドイツは 「近隣諸国との良好な関係の構築」において世界一にランクされている。

江戸時代に来日したドイツ人の1人に、徳川綱吉とも会見した博物学者エンゲルベルト・ケンペルがいる。ケンペルが著した広汎な『日本誌』 は詳細な紀行文にして博物誌であり、ゲーテも愛読したと伝えられる。

日本に西洋医学を伝えたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトもドイツ人であり、 江戸幕府が崩壊したあとも日本人は盛んにドイツから医学を学んだ。

軍事においても、大日本帝国陸軍は普仏戦争後に軍制をフランス式からプロイセン式へと変え、その制度と理論による近代化に努め、 日露戦争の勝利につながった。

技術・経済面での交流は活発で、日本にとってヨーロッパ最大の貿易相手国となっている。特にドイツの自動車は日本でも高い人気を誇り、日本の輸入車 の販売数上位3つはメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンが占めている。

文化や制度の面では第二次世界大戦前ほどの影響力 を持たなくなったものの、クラシック音楽ではバッハやベートーヴェンをはじめとするドイツの作曲家の楽曲が愛好されている。これは他国でも同様ではあるものの、日本はイギリスと並び特に その傾向が強いといわれる。

ドイツ語教育は、戦前のような英語に準ずる位置は失われたものの、なお多くの大学にドイツ文学科が設置されるなど、欧州語では英語、 フランス語に次ぐ位置を占める。

軍事

ドイツには在欧アメリカ軍が常駐する。作戦指揮はアメリカ欧州軍から受ける。第二次世界大戦以降、ドイツのラムシュタイン空軍基地に司令部を 置いており、ドイツ国内に何か所か基地がある。ドイツはニュークリア・シェアリングのための核兵器を装備している。

ドイツの軍事支出はGDP比1.24%で対GDP比としては世界94位だが、軍事費自体は世界第8位である。また、軍事支出は約495億ドルと 低めに抑えられている。平時において連邦軍は国防大臣の指揮下に置かれる。

ドイツが戦時に入れば首相が連邦軍の総司令官となる。2011年5月現在、ドイツ連邦軍は職業軍人18万8000人と兵役最低6か月の18 - 25歳からなる徴集兵3万1000人を擁している。 ドイツはアメリカ、ロシアに次ぐ世界第3位の武器輸出国である。国民は武器輸出に反対している声が多い。

経済

2013年のドイツのGDPは3兆6359億ドルであり、アメリカ、中国、日本に次ぐ世界第4位の経済大国である。ヨーロッパの中では国内総生産1位であり、 世界で有数の先進工業国である。

メルセデス・ベンツ・Sクラス。世界第4位、欧州第1位のGDPを擁するドイツは、世界有数の自動車輸出国である ドイツ経済の主要産業は工業である(自動車・化学・機械・金属・電気製品)。

大企業より中小企業の割合がほかの先進国より高い。ドイツは戦前から 科学技術に優れており、ガソリン自動車やディーゼルエンジンを発明したのはドイツ人であった。

また現在見られる液体燃料ロケットは戦時中にナチスが開発した技術が基礎となっている。 現在でも技術力があり、自動車はメルセデス・ベンツ、ポルシェ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン といったブランドが世界的に有名である。そのほか、

化学・薬品大手のバイエル、ベーリンガーインゲルハイム、電機大手のシーメンス、ボッシュ、航空会社のルフトハンザドイツ航空、金融の ドイツ銀行、コメルツ銀行、経営管理ソフトウェア大手のSAP、光学機器メーカーのカール・ツァイス、ライカ、

世界最大の映画用カメラメーカーであるアーノルド&リヒター、人工透析で 世界シェア40%のフレゼニウス、化学メーカーのBASF、建設機械メーカーのリープヘルなど、世界的に活動している大企業は多い。 近年は再生可能エネルギー産業が急成長している。

また生活用品や日用品においても、家庭用・業務用洗剤のヘンケル、清掃機器のケルヒャー、高級キッチンのミーレ、電気シェーバーや電動歯ブラシのブラウン、 スポーツ用品のアディダス、プーマ、高級時計のランゲ・アンド・ゾーネや軍用時計のチュチマ、世界最初の電波時計を作ったユンハンス、

筆記用具のモンブラン、ペリカン、ロットリング、ラミー、ファーバーカステル、ステッドラー、音響機器のゼンハイザー、ベリンガー や世界初のステレオヘッドフォンを発売したベイヤー、ぬいぐるみのテディベアで知られるシュタイフ など世界的に著名な企業が多い。

ドイツ経済の中枢であり、世界都市であるフランクフルトは、世界有数の金融センターであり、国際的なハブ空港を持つ 繁栄の基礎となるアメリカ資本を惹きつけることができたのは、戦前にコンツェルンができるほど充実した保険制度のおかげかもしれない。

ドイツの統合以降は失業者が増えて、経済的に困難な状態だった。 2010年代後半からユーロ安により安定的な経常収支の黒字を記録してきた。2019年の経常黒字額は2930億ドルと4年連続世界最高水準を記録。経常黒字の 対国内総生産比は、欧州委員会が持続可能と見なす水準6.0%を超え7.6%に達した。

交通

ヨーロッパの中央部に位置するドイツは輸送機関の中枢となっている。このことは密集化され、かつ近代化された輸送ネットワークに反映されている。 自動車大国であるだけに道路網も発達しており、アウトバーンと呼ばれる高速道路が主要都市を結んでおり、総延長は世界第3位である。

鉄道はドイツ鉄道が全国に路線を張り巡らせ、超高速列車ICEや都市間を結ぶ インターシティ、ヨーロッパ各国との間の国際列車が多数運行されている。 航空では、欧州でも屈指の大手航空会社ルフトハンザドイツ航空が世界各国に航空路線を持っている。

資源・エネルギー

2008年現在、ドイツは世界第6位のエネルギー消費国であり、主要エネルギーの60%を輸入に依存している。政府はエネルギー効率改善と再生可能 エネルギー活用を推進している。

エネルギー効率は1970年前半以降改善しており、政府は2050年までに国内電力需要を再生可能エネルギーのみで 賄うことを目標に掲げている。

ドイツは京都議定書や生物多様性、排出量規制、リサイクルそして再生可能エネルギーの利用などを推進するその他の諸条約に係わっており、 世界レベルでの持続可能な開発を支持している。ドイツ政府は大幅な排出量削減運動に着手しており、国内の排出量は低下している。

しかしながら、2007年時点でのドイツの温室効果ガス排出量は依然としてEU最大である。特に電力系統において、1990年から固定価格買い取り制度を採用、 スマートグリッドを構築中である。2011年の福島原子力発電所の事故をきっかけに、反原発の活動を開始する。

科学技術

科学におけるドイツの業績は非常に大きく、研究開発活動はドイツ経済にとって不可欠な分野となっている。これまでに103人のノーベル賞受賞者を輩出 しており、20世紀においては、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞といった科学の分野で、ほかのどの国よりも多くの受賞をしている。非英語圏では群を抜いた受賞者数となっている。

アルベルト・アインシュタインやマックス・プランクの業績が現代物理学確立への重要な役割を果たし、ヴェルナー・ハイゼンベルクとマックス・ボルンがこれを より一層発展させた。

彼らの仕事はヘルマン・フォン・ヘルムホルツやヨゼフ・フォン・フラウンホーファーといった物理学者たちに引き継がれている。ヴィルヘルム・レントゲンはX線 を発見し、1901年に第1回ノーベル物理学賞を受賞した。

また、カール・フリードリヒ・ガウス、ダフィット・ヒルベルト、ベルンハルト・リーマン、ゴットフリート・ライプニッツ、 カール・ワイエルシュトラス、ヘルマン・ワイル、フェリックス・クラインといった数多くの数学者たちがドイツから生まれている。ドイツにおける研究機関にはマックス・プランク研究所やドイツ 研究センターヘルムホルツ協会、フラウンホーファー協会がある。

毎年、10人の研究者にゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞が授与されており、最大250万ユーロの賞金はもっとも 高額な学術賞のひとつである。

諸科学の中でも医学、薬学、化学はとりわけドイツが世界の先進的立場を占める分野であり、特に日本では徹底してドイツ医学に学ぶ傾向が強かったため、戦後 かなり遅い時期まで日本の医師はドイツ語を学びカルテをドイツ語で書くことが常識とされていたほどである。森鷗外、北杜夫、手塚治虫といった医学者出身文化人がそろってドイツ文学に傾倒 しているのもこの影響である。

ドイツは多数の著名な発明家や技術者の出身国であり、その中にはヨーロッパで初めて活版印刷を発明したとされるヨハネス・グーテンベルク、 ガイガー=ミュラー計数管を開発したハンス・ガイガー、初めて全自動デジタルコンピュータを製作したコンラート・ツーゼがいる。

フェルディナント・フォン・ツェッペリン、オットー・リリエンタール、 ゴットリープ・ダイムラー、ルドルフ・ディーゼル、フーゴー・ユンカース、カール・ベンツといったドイツの発明家、技術者、企業家たちが現代の自動車や航空輸送技術を形づくった。

史上初の宇宙ロケット(V2ロケット)を開発した航空宇宙工学技術者のヴェルナー・フォン・ブラウンは、のちにNASAの主要メンバーとなり、サターンV型ロケットを開発してアポロ計画の成功に貢献している。 ハインリヒ・ヘルツの電磁波分野での業績は現代の遠距離通信の発展にとってきわめて重要である。

また、ドイツは環境技術の開発と利用に関する主要国のひとつである。環境技術を専門とする企業の総売上高は2005年時点で再生エネルギー分野で164億ユーロ、 廃棄物処理分野は500億ユーロにのぼる。ドイツ環境技術業界の重要市場は、発電、サステイナブル・モビリティ、材料能率差、エネルギー効率、 廃棄物管理とリサイクル、持続可能な水管理である。

国民

少子高齢化が進み、1人の高齢者を2.9人で支える高齢社会に突入しており、OECD各国では日本の次に少子高齢化が進行している。2010年1月 現在のドイツの人口は8180万人であり、EU域内では最大、世界第15位である。平均人口密度は平方キロメートルあたり229.4人である。

平均寿命は79.9歳。2009年の合計特殊出生率は女性1人あたり1.4人、1000人あたりでは7.9人となり、 世界でもっとも低率の国のひとつである。1990年代以降、死亡率が出生率を上回る状態が続いている。

国民の8割はゲルマン系のドイツ語を母語とするドイツ民族である。ドイツ民族は欧州諸民族の例にもれず地域ごとに文化的差異が大きいが、おおむねゲルマン 系の民族として認識されている。これら少数民族の権利獲得や自治権を求める動きはさまざまな形で実施されており、ドイツ国家からの独立が主張される場合もある。

2009年時点で連邦政府に登録されている外国人居住者は約700万人で、国内居住者の19%が外国人または両親の一方が外国人であり、 これらの96%が西ドイツまたはベルリンに居住している。

2012年の時点では、OECD加盟国中、ドイツは米国に次いで2番目の移民大国となっている。移民の受け入れが雇用状況の悪化を招いて、 移民排斥運動が起きている。

言語

ドイツ語は、ドイツの公用語であり支配的な言語である。

婚姻制度

また、伝統的には夫婦は同姓が原則で、日本の夫婦同姓のお手本になったとされる。 1993年の民法改正で、夫婦の姓を定めない場合は別姓になるという形で、現在は完全な選択的夫婦別姓制度を実現している。

2001年に同性間パートナーシップ制度が発足し、2013年には同性カップルも異性カップルと同等の税優遇が認められた。2017年6月、連邦議会が同性結婚 を合法化する法案を可決し、異性結婚と平等に扱われるようになった。

宗教

ライン川沿いにあるケルン大聖堂はユネスコ世界遺産である ドイツにおける最大の宗教はキリスト教で2008年現在で信者数5150万人(62.8%)である 。 2番目に大きな宗教がイスラム教で、およそ380万 - 430万人いる。

教育

教育課程は初等教育4年、中等教育以降は職業人向けと高等教育進学向けの学校とに厳格に分けられている。前者の進路がいわゆる「マイスター制」である。 12歳までは基礎学校で、子供の能力の見極めが重要になる。

13歳から15歳では、就職のための専門的な職業教育が行われる。大学への進学 を希望する場合はギムナジウムという進学校に進学し、大学進学に必要なアビトゥア資格の取得を目指す。 大学においても近年変革の時期を迎えている。ドイツの大学はほぼすべてが州立大学で、基本的に学費は納める必要がない。

医療

ドイツの医療は世界で初めて公的年金、公的医療保険制度を導入した。日本を含む多くの諸外国がこれを取り入れている。1883年にオットー・フォン・ビスマルク が成立させた疾病保険法にさかのぼる世界最古の国民皆保険制度を有している。

現在、全住民には国家によって提供される基礎健康保険が適用され、保険者は公的・私的の中から自由 に選択できる。世界保健機関によれば、2015年のドイツ国民医療費は84.5%が公費負担、15.5%が私費負担である。

GDPに占める医療費は11.2%であった。平均寿命は2016年時点で、男性が78.7歳 女性が83.3歳で男性は世界第24位、女性は世界第23位であった。乳児死亡率は2018年時点で、出生児1000人あたり3.4人(男児:3.7人、女児:3.1人) と非常に低い数値である。

2009年現在のおもな死亡原因は心血管疾患の42%、続いて悪性腫瘍の25%だった。2008年現在、8万2000人がHIV/AIDSに感染しており、1982年以降、 合計2万6000人がこの病気で死亡している。2005年の統計では成人の27%が喫煙者である。2007年の調査によれば、 ドイツは肥満した人の数がヨーロッパで最大である。

現在の年金制度は、連邦労働社会省が所管している。強制加入の国営年金保険と、任意の企業年金、私的年金の3つにて構成される。国営年金は 雇用主と雇用者が折半して拠出し、2015年の保険料は18.7%であり、低所得者への減額制度がある。

治安

ドイツは一般的に「ヨーロッパの中で比較的安全な国」とのイメージを持たれているが、同連邦国警察の発表によれば、2019年のドイツ国内全体の犯罪発生件数 は約544万件であり、人口10万人当たりの犯罪発生件数は日本の約10倍に上っている。

治安維持については他国と同じく、基本的には警察(Polizei)によって行われる。その警察組織はナチスドイツ時代に設置されていた集権的な秩序警察 を廃止し、それぞれの州政府によって地方警察 (Landespolizei)が運営され、警察とは別に都市や地区レベルの治安組織もある。

社会福祉

歴史的にドイツは「詩人と思想家の国(Das Land der Dichter und Denker)」と呼ばれてきた。連邦各州が文化施設を担当しており、ドイツには助成 を受けた240の劇場、数百の交響楽団、数千の博物館。そして2万5000以上の図書館がある。

これらの文化施設は多くの人々に利用されており、 毎年延べ9100万人のドイツ人が博物館を訪れ、20万人が劇場やオペラ、3600万人が交響楽団を鑑賞している。国際連合教育科学文化機関は、 ドイツでは36件を世界遺産リストに登録している。

ドイツは高いレベルの男女平等、障害者の権利促進、同性愛者に対する法的社会的寛容を確立している。ゲイとレズビアンはパートナーの遺伝的子供 を養子とすることができ、2001年以降にはシビル・ユニオン(結婚に準じる権利)が認められた。

1990年代半ば以降、ドイツは移民に対する態度を変えており、ドイツ政府とドイツ人 の過半数が移民の管理は資格基準に基づいて許可されねばならないと認識するようになった。

ドイツは2010年に世界でもっとも賞賛される国の統計で 50か国中第2位に挙げられた。2013年のBBCの世論調査によれば、ドイツは世界でもっとも肯定的な影響を与えている国と認められている。

文化

ドイツ料理は地域ごとに特色があり、バイエルンやシュバーヴェンといった南部はスイスやオーストリアと食文化が共通している。すべての地域で肉はしばしば ソーセージにして食べられる。

料理は火を使わずに用意できるカルテス・エッセンと、調理してから出されるヴァルメス・エッセンとに大別される。 よく知られているものとしては、前者にソーセージ(Wurst)、ハム(Schinken)、チーズ(Käse)などの冷製食品、後者に塩漬け肉アイスバイン(Eisbein) 、キャベツの塩漬けザワークラウト(Sauerkraut)、肉や魚の団子クネーデル(Knödel)などがある。

有機農産物が市場の約2%を占めており、 今後も増加する見込みである。ドイツの多くの部分でワインが親しまれているが、国民的酒類はビールである。

文学

ドイツ文学は中世のヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデやヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの作品にまでさかのぼることができる。 著名なドイツ人作家には、かの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテやフリードリヒ・フォン・シラー、ハインリヒ・ハイネがいる。 グリム兄弟によって編纂出版された民話集はドイツ民話を国際レベルにまで知らしめた。20世紀の有力作家にはトーマス・マン、 ベルトルト・ブレヒト、ヘルマン・ヘッセ、ハインリヒ・ベル、ギュンター・グラスがいる。

哲学

ドイツ哲学は歴史的に重要である。とりわけ影響力があったものには合理主義哲学に対するゴットフリート・ライプニッツの貢献、イマヌエル・カント、 ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル、フリードリヒ・シェリングによる古典的ドイツ観念論の確立、 アルトゥル・ショーペンハウアーの形而上学的厭世論の著作、

カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによる共産主義思想の理論化、フリードリヒ・ニーチェによる遠近法主義の展開、分析哲学黎明期 におけるゴットロープ・フレーゲの功績、存在(Being)に関するマルティン・ハイデッガーの著作そしてマックス・ホルクハイマー、テオドール・アドルノ、ヘルベルト・マルクーゼ、 ユルゲン・ハーバーマスによるフランクフルト学派の発展がある。

21世紀においてドイツはフランス、オーストリア、スイスそしてスカンジナビア 諸国とともにヨーロッパ大陸における現代分析哲学の発達に貢献してきた。

音楽

ドイツは、18世紀後半以降の音楽史で、同系国家であるオーストリアとともに独占的ともいえる地位を築き、 今もヨーロッパの歌劇場(オペラハウス)の過半数、全世界のオーケストラの4分の1以上 がドイツにあるといわれる。

現在のドイツ連邦共和国の領域に限ってもヨハン・ゼバスティアン・バッハ、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ヨハネス・ブラームスの 「ドイツ三大B」をはじめとして、ロベルト・シューマン、フェリックス・メンデルスゾーン、リヒャルト・ワーグナー、 リヒャルト・シュトラウスなどクラシック音楽史上に名を残す作曲家や演奏家を多数輩出した。

美術

第一次世界大戦中から戦後、ドイツは表現主義や新即物主義を生み出し、デザインや建築でもバウハウスを中心に革新的な動きを起こした。バウハウスに 集ったヴァルター・グロピウス、ハンネス・マイヤー、ミース・ファン・デル・ローエ、ヨハネス・イッテン、ピエト・モンドリアン、ヴァシリー・カンディンスキー、モホリ・ナギといった 美術家・建築家らは、合理主義・表現主義・構成主義といった美術観・建築観に基づくデザインを生み出し、今日のデザイン分野への影響は甚大である。

しかし既存のロマン派的流れを汲む美術団体との軋轢、およびナチスの「退廃芸術」排除の政策から、主だった美術家・建築家はアメリカ合衆国などに移民し 、ドイツの芸術は壊滅的打撃を受けた。

1960年代以降、フルクサスやヨーゼフ・ボイス、アンゼルム・キーファー、ゲルハルト・リヒターなど、世界に影響を与える芸術家が多数登場し、 ドイツの美術・建築・デザインは再び世界的存在感を高めている。

映画とテレビ

ドイツ映画は草創期のマックス・スクラダノフスキーにさかのぼり、ロベルト・ヴィーネやフリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウといった ドイツ表現主義映画が影響力を持っていた。

世界遺産

ドイツ国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が48件、自然遺産が3件で合計51件の世界遺産が現存する。イタリア・中国に次ぐ3番目の登録件数 である。

スポーツ

ドイツ国内でサッカーは圧倒的に1番人気のスポーツとなっている。通常ドイツのスポーツ競技団体はドイツスポーツ連盟(DSB)に加盟しているが、 ドイツサッカー連盟(DFB)は会員数630万人以上を数え、他の団体に比しても規模が大きい事で知られる。

サッカードイツ代表はFIFAワールドカップには20回の出場歴があり、4度の優勝と4度の準優勝(旧西ドイツ時代を含む)を誇り、現在も安定した強さを持つ ヨーロッパ屈指の強豪国である。優勝回数4回は、5回のブラジル代表に次ぎイタリア代表と並ぶ世界第2位の記録である。 独自にプロリーグを持っている。