サイトの目的
インド トップ画面
西アジア地方 東アジア地方 西ヨーロッパ地方 東ヨーロッパ地方
政治 経済 交通 国民 文化

インド

インド またはインド共和国 は、南アジアに位置し、インド亜大陸の大半を領してインド洋に面する連邦共和制国家。首都はデリー、 最大都市はムンバイ。

西から時計回りにパキスタン、中華人民共和国、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラデシュと国境を接する。 海を挟んでインド本土がスリランカやモルディブと、インド洋東部のアンダマン・ニコバル諸島がインドネシアやタイ南部、マレーシアに近接している。

インド本土はインド洋のうち西のアラビア海と東のベンガル湾という2つの海湾に挟まれて、北東部をガンジス川が流れている。 1947年にイギリスから独立。インダス文明に遡る古い歴史、世界第二位の人口を持つ。国花は蓮、国樹は印度菩提樹、 国獣はベンガルトラ、国鳥はインドクジャク、国の遺産動物はインドゾウである。

インドは南アジア随一の面積と世界第2位の人口を持つ国である。13億人を超える国民は、多様な民族、 言語、宗教によって構成されている。総人口は2020年代に中華人民共和国を抜いて世界最大になると国際連合により予測されている。

インド亜大陸の歴史は紀元前3千年紀のインダス文明に遡る。その時代において数々の最古の聖典はヒンドゥー教としてまとまっていった。 紀元前1千年には、カーストに基づく身分制度が現れ、仏教とジャイナ教が起こった。 19世紀末に独立運動が起こり、マハトマ・ガンディーの非暴力抵抗や第二次世界大戦などのあと、1947年に独立した。

2017年、インドの経済は名目国内総生産(GDP)において世界第7位であり、購買力平価(PPP)では世界第3位である。1991年に市場を 基盤とした経済改革を行って以降、急速な経済成長をしており、新興国と言われるようになった。

しかし、貧困や汚職、栄養不足、 不十分な医療といった問題に今もなお直面している。労働力人口の3分の2が農業に従事する一方、製造業とサービス業が急速に成長している。 国民の識字率は74.04パーセントである。

ヒンドゥー教徒が最も多く、ムスリム、シーク教徒がこれに次ぐ。カースト制度による差別はインド憲法で禁止されているが、 現在も農村部では影響は残っている。アジア開発銀行はインドの中間層が2011年から15年間で人口の7割に達するとしている。

連邦公用語はヒンディー語。人口規模で言えば世界最大の議会制民主主義国家であり、有権者数は約9億人である。 州政府が一定の独立性を持っているため、各州に中央政府とは別に政府があり大臣がいる。

核保有国そして地域大国であり、2016年以降は モンゴルの人口に匹敵する程の世界で最も人数が多い軍隊 を保有し、軍事支出は、2018年では、665億ドルで、GDP比で約2.4%支出しており、 世界で4番目であった。

パキスタン、中華人民共和国(中国)、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマーとは陸上で、スリランカ、モルディブ、 インドネシアとは海上で国境を接する。パキスタンや中国とは領土問題を抱える。水の不足が文化の発展を妨げている。 地方によって気候の特徴が大きく異なっている。

政治

インドの政治の大要は憲法に規定されている。インド憲法は1949年に制定、1976年に改正され、以後修正を加えながら現在に至っている。 国家元首は大統領。実権はなく、内閣の助言に従い国務を行う。議会の上下両院と州議会議員で構成される 選挙会によって選出される。任期5年。

副大統領は議会で選出される。大統領が任期満了、死亡、解職で欠ける場合は、副大統領の地位のままその職務を行う。任期は大統領と同じ 5年だが、就任時期をずらすことで地位の空白が生ずることを防止する。また、副大統領は上院の議長を兼任する。

行政府の長は首相であり、下院議員の総選挙後に大統領が任命する。内閣は下院議員の過半数を獲得した政党が 組閣を行う。閣僚は首相の指名に基づき大統領が任命する。内閣は下院に対して連帯して責任を負う。また、連邦議会 の議事運営、重要問題の審議・立法化と国家予算の審議・決定を行う。

議会は両院制で、州代表の上院と、国民代表の下院の二院により構成される。 上院250議席のうち12議席を大統領が有識者の中から指名する。任期は6年で、2年ごとに3分の1ずつ改選。大統領任命枠以外は、各州の議会に よって選出される。

下院は545議席で 、543議席を18歳以上の国民による小選挙区制選挙で選出し、2議席を大統領がアングロ・インディアンから指名する。

任期は5年だが、任期途中で解散される場合がある。有権者の人口が多いため、選挙の投票は5回に わけて行われる。選挙は小選挙区制で、投票は用紙に印刷された政党マークに印を付ける方式であり、今日まで行われている。

なお、インドは民主的なプロセスを経て選挙が行われている国の中では世界最大の人口を誇る。そのためしばしば 「世界最大の民主主義国家」と呼ばれることがある。

国際関係

インドが外交使節を派遣している諸国の一覧図独立後、重要な国際会議がインドで開かれ、国際的な条約や協約が締結されている。

カシミール地方においてインドとパキスタン、中華人民共和国との間で領土紛争があり、特にパキスタンとは激しい戦闘が繰り返され 、現在は停戦状態にある。インドの主張するカシミール地方は、ジャンムー・カシミール連邦直轄領及びラダック連邦直轄領となっている。

これとは別に、インド東部アッサム州北部のヒマラヤ山脈南壁は、中国との間で中印国境紛争があったが、中国側が自主的に撤退し 現在はインドのアルナーチャル・プラデーシュ州となっている。

近代以前の日本では、中国経由で伝わった仏教に関わる形で、インドが知られた。東大寺 の大仏の開眼供養を行った菩提僊那が中国を経由して渡来したり、高岳親王のように、日本からインドへ渡航 することを試みたりした者もいたが、数は少なく、情報は非常に限られていた。日本・震旦・天竺をあわせて三国と呼ぶこともあった。

1948年、極東国際軍事裁判において、インド代表判事パール判事は、「イギリスやアメリカが無罪なら、日本も無罪である」と主張した。 またインドは1951年のサンフランシスコで開かれた講和会議に欠席。

1952年4月に2国間の国交が回復し、同年6月9日に平和条約が締結された。 インドは親日国であり、日本人の親印感情も高いと考えられているのは、こうした歴史によるものがある。

イギリスの東インド会社などによる、インドの植民地化が行われていて、インドによる抵抗運動が行われた。 非暴力を唱えるマハトマ・ガンディー、ジャワハルラール・ネルーにより反英・独立運動が展開された。ガンディーは「塩の行進」 を開始したが成功しなかった。

第二次世界大戦では日本に亡命したチャンドラ・ボースが日本の援助によってインド国民軍を結成し、インド人兵士は多くが志願した。

冷戦期は中立非同盟路線のインドと、パキスタンを軍事パートナーとしていたアメリカ合衆国との関係はよくなかった 。冷戦終結を契機に印米関係は改善を見せ始める。1998年の核実験を強行した際にはアメリカをはじめ西側諸国 から経済制裁を受けたが、現在では経済軍事交流をはじめとして良好な関係を築いている。

インドではソフトウェア産業の優秀な人材が揃っており、英語を話せる人材が多いためアメリカへの人材の引き抜きや 現地でのソフトウェア産業の設立が盛んになっている。そのため、ハイテク産業でのアメリカとのつながりが大きく、 アメリカで就職したり、インターネットを通じてインド国内での開発、運営などが行われたりしている。

アメリカの知的労働者のかなりの割合がインド系のアメリカ人である。 アメリカの大学に留学しているインド人も優秀な人が多い。

インドはオーストラリアにとっての重要な輸出市場であり、オーストラリアは市場競争力と付加価値がある専門技術と技術的ソリューションを、 様々な分野にわたって提供しているという。

オーストラリアは移民政策としてアジア人を受け入れており、特にインド人は英語が話せるため多くが留学・移民として来ている。 インド人はオーストラリアの文明の発達に貢献している。

古代では、インドから中国に仏教がもたらされ、インドに留学した中国僧の法顕、玄奘、義浄らを通じ、交流があった。

宗教の違いや度重なる国境紛争で独立以来伝統的に隣国パキスタンとはかなり関係が悪く、互いに核兵器を向けてにらみ合っている。 近年もムンバイ同時多発テロ以降、関係は悪化していたが、2011年には2国間貿易の規制緩和やインドからパキスタン への石油製品輸出解禁が打ち出され、11年7月には両国の外相が1年ぶりに会談した。

2012年9月8日、イスラマバードで会談をして、ビザ発給条件の緩和について合意したほか、農業、保険、教育、環境、科学技術などの分野 での相互協力などが話し合われた。しかしカシミールの問題で対立が続いている。

ロシアとは大幅な防衛・戦略上の関係を結んでおり、インドはロシア連邦製兵器の最大の顧客となっている。

軍事

インド軍は、インド陸軍、インド海軍、インド空軍および、その他の準軍事組織を含むインドの軍隊である。インド軍の法律上の最高司令官 は大統領だが、事実上の指揮権はインド政府のトップである首相が有している。

インド軍の管理・運営は国防省・国防大臣が担当する。世界で6番目の核保有国・原子力潜水艦保有国でもある。 インドは世界第4位の軍事力となっている。志願兵制を採用しており、徴兵制が行われたことは一度もない。

経済

インドの経済は1991年から改革に取り組んでいる。1997年5月に政府は低品質の米の輸入を自由化し、民間が無関税で輸入することを許可した。 それまで全ての形態の米の輸入はインド食料公社によって独占されていた。小麦は1999年3月から製粉業者が政府を通さずに加工用の小麦を輸入 できることが決まった。

2002年4月に米・小麦の輸出制限が廃止された。改革により、IT産業のほか、自動車部品・電機・輸送機器といった分野も伸びており、 加えて産業規模は小さいもののバイオ・医薬品といった産業の発展に力を注いでいる。特に2003年以降はおおむね年間7 - 9パーセント 、2010年度も8.5パーセントの高い経済成長率を達成している。

貿易については、産業保護政策をとっていたため貿易が国内総生産(GDP)に与える影響は少なかったが、経済自由化後は関税が引き下げられる などされ、貿易額が増加、GDPに与える影響力が大きくなっている。

主な貿易品目は、輸出が石油製品、後述する農産物と海老、輸送機器、 宝飾製品や医薬品、化学品、繊維などである。輸入は原油・石油製品、金、機械製品などである。ンドのGDPは2021年には2.8兆ドルであり、 世界で6番目に大きな経済になる。

農業

農業をはじめとする第一次産業は世界第2位の規模を誇り、植物育種や灌漑設備の整備、農薬の普及といった「緑の革命」を実践している 。独立後60年あまりで人口が12億人にまで増えたにもかかわらず、自給自足達成国となった。 人口の約半数は農業に関わっている。

米の生産量がとても多い。砂糖、魚介類、野菜・果実は完全自給できている。大豆の自給率が 96パーセントであった。綿花と茶の生産が盛んである。

インドでは牛が宗教上神聖な動物とされており 、牛乳の生産量が1980年から2004年の四半世紀で約3倍、世界一となった。カシューナッツ、マンゴー、ココナッツ、 生姜、ウコンと胡椒、ジュート、落花生なども生産している。

資源産業

鉱業は後述の化石燃料のほか、インド・ウラン公社がウランやトリウムを採掘している。その他種種の金属鉱石が産出される。 インドは世界第14位の工業生産国であり、2007年において工業でGDPの27.6パーセント、労働力の17パーセントを占める。

製造業の花形である輸送機械産業はオートバイ、スクーター、オート三輪の生産が盛んであり、2011年には自動車生産台数は 393万台で世界第6位で、輸出もしている。造船、航空機製造も成長の兆しを見せている。

石油・エネルギー産業は1984年にボパール化学工場事故を起こしながらも、石油化学を中心に発展を遂げた。 製薬産業や 繊維産業の世界トップクラスの生産国である。鉄鋼業も盛んであり、エレクトロニクス産業もある。

IT時代の到来と英語を流暢に話し教育された多くの若者たちにより、インドはアフターサービスや技術サポートの世界的な アウトソーシングの重要なバックオフィスとなりつつある。ソフトウェアや金融サービスにおいて、高度な熟練労働者 の主要な輩出国となっている。

近年の高成長は主にIT部門の成長がもたらしている。インドは先進国企業の情報技術導入が進むなかで、ソフトウェアの開発 および販売、欧米企業の情報技術関連業務のアウトソーシングの受注を拡大させている。

医療産業

医療ビジネスは、インドの医療レベルは飛躍的に進歩し、欧米で研修をした医師が帰国している。英語が第二公用語であるため、 医療関係でも英語圏との結びつきが強い。特に心臓手術では施術例5万5,000人、成功率99.6パーセントという実績があり、心臓手術では世界五指に入るという。

先進国より破格に治療費が安いことが魅力であり、医療費が高い米国とインドの手術費用を比較すると、米国ではおよそ350万円 かかる心臓手術がインドでは80万円程度という4分の1以下の安さである。医療の水準はとても高い。他の部門ではバイオテクノロジー、 ナノテクノロジー、通信、観光が高成長の兆しを見せている。

世界遺産

ジム・コーベット国立公園やハワー・マハル、アンベール城を始めとした数多くの名所を抱えている。

インドの世界遺産

交通

インドの鉄道は国有であり、総延長は6万2,000キロメートルを超えて世界第5位である。 かつて旅客機は一部の富裕層でしか使われていなかったが、2000年代に入り国内大手資本により格安航空会社(LCC)が多数設立され、 それにあわせて航空運賃が下がったこともあり中流階級層を中心に利用者が増加している。

科学技術

2013年11月5日、最初の火星探査機打ち上げに成功した。正式名称は「マーズ・オービター・ミッション」で、通称として 「マンガルヤーン」と呼ばれている。2014年9月24日に火星の周回軌道に投入され、アジアで初めて成功した火星探査機となった。

環境問題

金融制度の腐敗が問題視されている。大気汚染が問題になっていていろいろな対策が行われている。 政治の汚職も頻発している。また衛生面でも課題が多い。トイレを持たない家庭も多く、政府は屋外排泄行為根絶を目指す 「クリーン・インディア」政策を2014年から進めている。

電力の供給能力は機関化による経済成長に追いつけず、日常的に停電が発生する。インドの経済成長の主軸とされる IT産業にとって不可欠な通信設備の普及も立ち遅れている。

国民

人口

インドの鉄道網と人口密度を示した地図。特に北部に人口が集まっている。 2011年国勢調査の人口は12億1,057万人である、総人口は世界第1位の中華人民共和国に次ぐ世界第2位である。

インドの人口は1950年以降、毎年1,000万から1,500万人の勢いで増加し続け、政府による人口抑制策を実施したが、2005年には11億人 を突破した。

インドは増える若年層に十分な雇用や生活インフラを提供できておらず、地域間の出稼ぎも多い。このため一部の州は、 子供が2人以下の世帯を経済的に優遇するなど人口抑制策をとっている。

インドの街並み

印僑は華僑、ユダヤ人、アルメニア人に並ぶ世界四大移民集団で、インド国外で成功を収めている。大英帝国の植民地時代から 世界各国の国へ移民し、特にイギリスの支配下であった英語圏に圧倒的に多いのが特徴である。アフリカや南アメリカに多くの人が進出している。

言語

インドはヒンディー語を連邦公用語とする。ヒンディー語圏以外では各地方の言語が日常的に話されている。 インドで最も多くの人に日常話されている言葉はヒンディー語で、約4億人の話者がいると言われ、インドの人口の約40パーセントを占める。 英語はとても重視されている。学術系の人の中にはサンスクリットを学ぶ人も一部いる。

教育

2002年の憲法改正および、2009年の無償義務教育権法により、6 - 14歳の子どもに対する初等教育の義務化、無償化が図られている。 後期中等教育は2年制と4年制に分かれている。高等教育を受けるために大学へ進学するには、4年制の高校で学ぶ必要がある。 インドの学校は日本などと同じ4月入学を採用している。

宗教

インドの人口に占める各宗教の割合はヒンドゥー教徒79.8パーセント、イスラム教徒14.2パーセントである。

ヒンドゥー教はバラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されてきた多神教である。 ヴェーダ聖典を成立させ、これに基づくバラモン教を信仰した。

紀元前5世紀頃に政治的な変化や仏教の隆盛があり、 バラモン教は変貌を迫られた。その結果、バラモン教は民間の宗教を受容・同化してヒンドゥー教へと変化 していった。

神々への信仰と同時に輪廻や解脱といった独特な概念を有し、四住期に代表される生活様式、身分・職業 までを含んだカースト制などを特徴とする宗教である。

治安

インドは現時点において着実な経済発展を遂げており社会情勢は全般的に安定しているが、それに反して都市部では人口の集中、 失業者の増大、貧富差の拡大を背景として一般犯罪の発生件数 が増加傾向にある。主な犯罪として窃盗や強盗、詐欺、強姦等が多発しており、同国に滞在する際には充分な注意が必要となる。