サイトの目的
イスラエル トップ画面
西アジア地方 東アジア地方 西ヨーロッパ地方 東ヨーロッパ地方
政治 経済 交通 国民 文化

イスラエル

イスラエル国、通称イスラエルは、西アジアに位置する共和制国家。北はレバノン、北東はシリア、東はヨルダン、 東と西はパレスチナ自治区のヨルダン川西岸とガザ地区、南西はエジプトと国境を接している。

実質的な首都はテルアビブであり、経済と技術の中心地をなす。一方、イスラエル政府としてはエルサレムを首都と宣言しているが、 エルサレムに対する国家の主権は国際的には限定的にしか認められていない。

イスラエルは基本法の中で、自らをユダヤ人と民主主義の国家であり、ユダヤ人の国民国家であると定義している。国は、議会制、 比例代表制、普通選挙を採用した自由民主主義国家である。首相は政府の長であり、クネセトは立法府である。

2019年現在の人口は約900万人で、イスラエルは先進国であり、OECD加盟国である。名目GDPでは世界第31位の経済規模を持ち、現在紛争中の国の中では 最も先進的な国である。

中東で最も生活水準が高く、軍事訓練を受けた国民の割合、高等教育の学位を持つ国民の割合、GDP比の研究開発費、女性の安全性、 平均寿命、革新性、幸福度などで世界の上位にランクイン している。

北にレバノン、北東にシリア、東にヨルダン、南にエジプトと接する。ガザ地区とヨルダン川西岸地区を支配するパレスチナ自治政府 とは南西および東で接する。西に地中海があり、南は紅海につながっている。ヨルダンとの国境付近に、世界的にも高濃度の塩湖である 死海がある。

イスラエルの支配地域は2万2,072km2である。国土は狭く、南北に細長い。南北には470キロメートルあるが、東西は一番離れた地点間 でも135キロメートルである。

地中海沿岸の平野部は肥沃な農地地帯となっている。また、平野部に国民の大半が住んでおり、工業施設の大半も平野部に存在する。 地中海側のハイファからエルサレムにかけては人工知能(AI)などの新興企業4000社が集積し、アメリカ合衆国のシリコンバレーにちなんで 「シリコン・ワディ」と呼ばれる。

北部のガリラヤおよびゴラン高原は比較的豊富な雨量で、常に緑が保たれている。南部のネゲブ砂漠は国土のかなりの割合を占めており、 乾燥し切り立った山々が存在する。

政治

イスラエルの政治は行政、司法、立法と国家元首である大統領からなる。議会制民主主義を採用し、行政府は、立法府 の信任を受け、司法府は法により完全なる独立を保証されている。

イスラエルは非成典憲法であり、国家の政治制度を規定した各基本法は通常の 法律と同等に改正することができる。選挙権は18歳以上に与えられ、被選挙権は21歳以上に与えられる。選挙投票日は休日となり、 入院中の人間や受刑者にも投票権が与えられる。投票率は通常8割から9割程度である。

安息日の労働を禁ずる法が存在し、教育に関する法ではユダヤ教文化を重視することが盛り込まれている。

イスラエルの大統領の任務は象徴的・儀礼的な性格が強く、新国会の開会式の開会宣言、外国大使の信任状受理、クネセトの採択した法ないし は批准した条約の署名、当該機関の推薦するイスラエルの大使、裁判官、イスラエル銀行総裁の任命などである。

大統領はクネセトの投票で決定され、任期は当初5年であったが、1999年の法改正により、 7年に延長された代わりに再選は禁止されるようになった。

立法

イスラエルの国会であるクネセトは一院制。議員定数は120名で、政党名簿比例代表により選出される。その名称と定数は 紀元前5世紀にエズラとネヘミヤによってエルサレムに招集されたユダヤの代表機関、クネセット・ハグドラに由来する。

イスラエルの政府は、伝統的に複数の政党による連立政権により運営されてきた。これは完全な比例代表制をとり、最低得票率も低いため 、多数の政党が存在するためである。

国家の最高行政機関である政府は、国家の安全保障を含む内外の諸問題を担当し、クネセトに対して責任を有し、その信任を受けねばならない。 政府の政策決定権には極めて幅がある。法により他の機関に委任されていない問題について、行動をとる権利を認められている。 首相は日本と同様、議会で選出されているが、1996年から2001年までは首相公選制を採用し首相選挙を行っていた。

現在のイスラエルがある地域には古代から人類が居住し多数の遺跡が残されておいるため保全や調査を統括する省庁として「考古学庁」が 設置されている。

司法

司法の独立は法により完全に保証されている。最高裁判事3名、弁護士協会メンバー、政官界者で構成される指名委員会 があり、判事はこの委員会の推薦により大統領が任命する。判事の任期は無期。最高裁判所、地方裁判所、治安判事裁判所、そして 宗教裁判所が存在し、結婚および離婚に関する裁判は各宗教の宗教裁判所が扱っている。

死刑は戦時の反逆罪および敵性行為に対する法律と、ナチスおよびその協力者を処罰する法律においてのみ存在する。なお、死刑判決は 軍法会議においても下すことが可能である。アドルフ・アイヒマンとジョン・デミャニュクに死刑判決が下されたが、後者は後に無罪 となっている。

また、テロ対策のために、裁判も起訴状も、時には説明すらなく、国家にとって危険だと見なされた人物を逮捕・拘束できる行政拘束 という制度を持ち、治安立法も数多く制定されている。

軍事裁判所では、未成年でも12歳から起訴できると定めている。国連児童基金によれば、世界でもこうした例は他にないという。2016年現在、 イスラエルは約450人の未成年パレスチナ人の身柄を拘束しており、うち100人ほどが16歳未満とされる。また、パレスチナ側の報告によると、 5歳の子どもが拘束された例もあり、セーブ・ザ・チルドレンは、拘束された子どもの81%が肉体的暴力を振るわれ、47%が弁護士接見を拒否されるなど、 国際法に反した虐待が日常的に行われていると報告した。

国際関係

自民族の国家を持たなかったことにより、600万人のユダヤ人が殺されたホロコーストの教訓から、イスラエルは「全世界に同情されながら 滅亡するよりも、全世界を敵に回して戦ってでも生き残る」ということを国是にしているとされる。その一方で、同情を利用した外交や事業といった ものも行われており、それはノーマン・フィンケルスタインによって「ホロコースト産業」と呼ばれた。

イスラエルは建国直後の1949年に国際連合へ加盟している。2011年時点で、イスラエルは157の国連加盟国と外交関係を有している。残りの 国連加盟35か国のうち、サウジアラビアやシリアなどのイスラム圏を中心とする24か国はパレスチナ問題を理由として建国以来一度も イスラエルを国家承認していない。

また、イランやキューバなどの9か国は一時期イスラエルと外交関係を有していたが、2011年までに関係が断絶している。イスラエルと 国交のない33か国はいずれもパレスチナ国を国家承認している。

欧米諸国とは欧州連合の研究機関への参加など、良好な関係を保っている。フランスは第三次中東戦争までは最大の兵器供給国であり、 核開発の協力もなされていた。

ドイツとはホロコーストの記憶もあり外交関係は冷え切っていたが、ドイツの補償金と軍事支援を受け入れ、当時の西ドイツと1965年に 国交を樹立している。ただし、補償金の受け取りについては反対派がデモを起こし、国会を襲撃するなど受け取りの是非について 激しい論争を呼んだ。

1995年には北大西洋条約機構(NATO)のパートナー諸国であるの加盟国となっている。 また2010年には経済協力開発機構(OECD)にも加盟している。欧州連合の研究・技術開発フレームワーク・プログラムにも参加しており、 欧州原子核研究機構(CERN)には1991年からオブザーバー国として参加していたが、2014年に正式にメンバー国となった。欧州分子生物学機構 (EMBO)および欧州分子生物学研究所(EMBL)のメンバー国でもある。

イスラエルは元来、アメリカ合衆国との関係を最重要視してきたが、イラク戦争後から「世界の警察官」としてのアメリカ合衆国の 国際的影響力に陰りが出てきたと判断して、日本、中華人民共和国、インド、フランスなど多方面の外交に乗り出し、中華人民共和国 の主導する上海協力機構(SCO)にも参加を申請している。

近隣諸国とは建国直後から何度か戦争状態となり敵対関係だったが、1979年にエジプトと、1994年にヨルダンと平和条約を結んでいる。 一方で、近年では反イラン国家も多いアラブ諸国との関係改善を図る動きが急速に進んでおり、2018年10月26日にはオマーンを首相が公式訪問。 また2020年8月13日にはアラブ首長国連邦と、9月11日にはバーレーンと、10月23日にはスーダンが国交正常化に合意している。

また、12月10日にはモロッコと国交正常化で合意した。またイスラエル機でのアラブ首長国連邦との往復にサウジアラビアの上空通過を許すなど、 サウジアラビアとの関係改善も急激に進んでいる。

イスラエルが「脅威」としてあげる中東諸国ではイランがある。イランとは核兵器開発問題、ヒズボラおよびハマースを支援している 国家として強い警戒を示し、国連事務総長にイランの国連除名を要求したこともある。シリアとレバノンも紛争当事国であり、関係修復には至っていない。

アメリカ合衆国は建国当初から最大の「盟友」であり、「特別な関係」とも言われる。アメリカはイスラエルを「中東における 最も信頼できるパートナー」と評し、国家承認も建国と同日に行っている。エジプト・イスラエル平和条約をはじめ和平仲介も行っている。 毎年30億ドル以上の対外軍事援助を行い、合同軍事演習も実施している。またイスラエルの最大の貿易相手国でもある。

国連でイスラエルへの非難決議が提出されると拒否権を発動させることもあり、またイスラエルから中華人民共和国への 軍事技術提供問題やヴェラ・インシデントなどのイスラエルの核兵器開発問題に対しては、見てみぬふりをしていると言われることもある。

アメリカにはユダヤ系の移民が多くて、政治に強い影響力を持っている。 アメリカの政治家もユダヤ系の投票権がある人達に便宜を図っている。

初代大統領ハイム・ヴァイツマンと南ア首相ヤン・スマッツのときから緊密な同盟関係にある。アパルトヘイト体制の基礎を 築いたダニエル・フランソワ・マランは、英連邦諸国からイスラエルを表敬訪問した最初の首相だった。貿易の良いパートナーである。

資本の交流も盛んである。イスラエルは1978年に南アへの直接投資限度額を引き上げ、2年後には投資額が本当に増えた。この頃に 特別の協定が結ばれ、南アの市民はドル建てでイスラエル債権を買えるという金融史上初の特権を得た。

第二次世界大戦で敗戦国となった日本は、1952年4月28日の日本国との平和条約発効により、外交権を含む主権 を回復した。その直後の同年5月15日に、日本はイスラエルを承認した。

2006年、持続的な経済発展を通じてイスラエル・ヨルダン・パレスチナ自治政府間の協力・信頼関係を築き、ひいてはパレスチナの平和 を形成するという「平和と繁栄の回廊」構想を提案している。

2008年には4者協議が東京で開催されている。2008年以降4者協議は開催されていなかったが、2013年に 再開した。2014年5月には、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が日本を訪問、天皇皇后や安倍晋三首相 と会談を行った。安倍とネタニヤフの会談では、安全保障分野での協力や、中東和平交渉に関して意見が交わされた。

軍事

1948年の建国とともに創設されたイスラエル国防軍(IDF)は、国の防衛の任にあたる。建国以来の度重なる周辺アラブ諸国との 実戦経験を持つ。

文字通りの国民皆兵国家であり、満18歳で男子は3年、女子は2年の兵役に服さねばならないが、優秀な学生は徴兵が 延期されることもある。なお、その後も予備役がある。女性は結婚している者は兵役が免除される。

イスラエルは国土が縦深性に欠け、一部でも占領されれば国土や産業、国民にとって致命的なダメージを受ける。そのため、 戦時には戦域を敵の領土に限定し早急に決着をつけることを戦略計画としている。

国連児童基金はパレスチナ人の子供達がイスラエル軍から軍事裁判にかけられ、拘留下において「広範囲にわたる 計画的で制度化された」暴行・虐待を受けているとする報告書を発表した。

イスラエル政府は核兵器の保有に関して肯定も否定もしていないが、核拡散防止条約(NPT)にも加盟していない。 このことは、核兵器の存在をほのめかして抑止力を高めたり、同盟国のアメリカへの配慮の意味もある。

兵器を南アフリカやトルコに輸出している。インドや中華人民共和国にも兵器輸出や軍事技術の提供を行っている。

経済

IMFの統計によると、2019年のイスラエルのGDPは3,877億ドル(約42.5兆円)で、愛知県や大阪府よりやや大きい経済規模である 。1人あたりの名目GDPは42,823米ドル(2019年)で、40,847米ドルの日本より高い。イスラエルはOECD加盟国であり、 いわゆる先進国である。貿易収支は慢性的な赤字となっている。

また、イスラエルは中東のシリコンバレー とも呼ばれ、インテルやマイクロソフトなどの世界的に有名な企業の研究所が軒を連ねる。大企業は少ないがベンチャー企業は 多いことでも知られ、失敗を恐れない起業家精神に富んだイスラエルの国民性が影響していると考えられている。

イスラエルは人口900万人程度の小さな国ではあるが、農業、灌漑、そして様々なハイテクおよび電子ベンチャー産業において最先端の 技術力を持つ。

2011-2013年の間にはApple、Alphabet、マイクロソフト、フェイスブック、Amazon.com、Twitter、AOL、Yahoo!、テスラ、Netflix、 スペースX、ブルーオリジン、オラクルがイスラエルのベンチャーキャピタルを買収した。

イスラエルの農業技術は先進的で、国土のほとんどが砂漠または半砂漠で降雨量も少ないといった農業には厳しい環境ながら食糧の ほとんどを自給でき、農産物の輸出も行う農業大国である。

少ない水資源を有効に活用するため、水のリサイクルに力を入れ、リサイクル率は70%を超えているという。 また水の利用効率が高い点滴灌漑を行っている。設備の制御は携帯電話などのモバイル機器からも可能であるという。取水も効率的であり、 ヨルダン川の流域は3%しかイスラエルを通っていないにもかかわらず60%を国内需要に充てている。

海水淡水化にも優れた技術を持つ。2005年以降、地中海沿いに相次ぎ淡水化プラントを設置し、2017年時点ではイスラエルで消費される 飲料水の8割が海水から作られている。

ダイヤモンド産業はイスラエル経済を語るうえで重要な位置を占める。イスラエルはダイヤモンドの流通拠点として世界的に有名であり、 研磨ダイヤモンドの輸出額はイスラエルの総輸出額のうち約4分の1を占めている。

また兵器産業も経済に大きな影響を与えている。高度な技術の民間転用がハイテク産業を急成長させ、また兵器の輸出によって直接的な 収入源ともなっている。

イスラエルの鉱業を支えているのは、カリ塩とリン鉱石である。2003年の時点で、それぞれの世界シェアは5位、9位 である。

科学研究

イスラエルは、科学研究の水準が非常に高い。イスラエルは専門資格を持った人材資源が豊富であり、科学技術の研究開発に注がれる 資金の額は、2007年度のデータではGDPとの比率でみると世界1位である。また国際的な研究協力も重視し、欧米諸国のみならず各国 と積極的に連携を行っている。

医学とその周辺分野、ならびに生物工学の分野では極めて進んだ研究開発基盤を持ち、広範囲な研究に取り組んでいる。研究は大学 医学部・各種国立研究機関をはじめ、医薬、生物工学、食品加工、医療機器、軍需産業の各メーカーの研究開発部門でも活発に行われている。 イスラエルの研究水準の高さは世界によく知られており、海外の医学、科学分野、軍事技術の研究諸機関との相互交流も盛んである。

臨床医学では、熱傷の治療について、高い水準を誇った他、幹細胞研究など、イスラエルが高いレベルを誇る領域は 、枚挙にいとまが無い。こうした高い医学水準を背景にイスラエルでは医学上の様々な議題の国際会議が頻繁に開催されている。

さらに軍需製品の性能・品質は世界に見ても非常に高く、このような科学技術の発展にはソ連崩壊による100万人近くの移民に多くの研究者・技術者 が含まれていたことも大きく影響している

イスラエルには兵役があるため、イスラエル出身者は軍隊のチームマネジメントや、政府で運用されているサイバーセキュリティ等の 高度な技術を学ぶことになる。また、起業に失敗したとしても再就職は容易である。その結果として、兵役終了後に大学を卒業した後は、 起業する事も普通である。特にIT分野でスタートアップが多数存在し、2年~3年のサイクルで大半が入れ替わっており、「第2のシリコンバレー」とも呼ばれている。

サイバーセキュリティにおいて世界最高峰の技術を持つ。特に暗号理論の水準が高いとされ、インターネットのセキュリティーで重要 な役割を演じるファイアウォールや公開鍵の開発において、イスラエルは重要な役割を果たしてきた。

関連して、「ペガサス」と呼ばれる高性能スパイウェアもイスラエルで開発されており、世界中の政府機関や軍事組織 で使われている。2016年にはイスラエルに開発拠点を置くSirin Labs社が軍用並みかつ世界一のセキュリティを謳う 「Solarin」という150万円のスマートフォンを発売した。

CPUの性能強化も成功している。 また宇宙開発技術も高く、独自に人工衛星も打ち上げている。通常の人工衛星では地球の自転を利用して東向きに打ち上 げられるが、イスラエルの衛星は西方以外に他国が存在するため、全て非効率的な西向きに打ち上げられている。

貧困問題

先進国とされているイスラエルだが、深刻な貧困問題を抱えている。イスラエルには1954年に制定された『国民健康法』に基づき、 収入が最低基準以下の世帯と個人に対しては国民保険機構から補助金が支給されている。また、児童手当も支給されており、 特に4人以上の子どもがいる家庭には手厚い福祉が施されている。

2011年7月30日には、イスラエル国内で住宅価格や生活費の高騰、貧富の格差に対して抗議する15万人規模のデモが起きている。 左派系のみでなく、保守系の人々も多数参加した極めて大規模なものである。8月6日には、 最低賃金引上げなどを求め30万人規模のイスラエル建国至上最大の抗議運動が起きた。

国民

2013年のイスラエル中央統計局のデータでは、総人口は802万人である。そのうちユダヤ人が604万人(75.3%)、アラブ人が 166万人(20.7%)、その他32万人(4.0%)となっている。

宗教

ユダヤ教徒が523.8万人(76.2%)、ムスリムが110.7万人(16.1%)、 アラブ人の大半はムスリムで、2009年のデータではアラブ人の78%がムスリムである。

1990年から2009年までの統計によればユダヤ人の人口は減少傾向にあり、対してアラブ人は増加傾向にあるという。これは ユダヤ人移民の減少によるものとイスラエル中央統計局は推測している。

言語

現代イスラエルの公用語であるヘブライ語は、古代ヘブライ語を元に20世紀になって復元されたものである。全くの文章語となっていた 言語が復元されて公用語にまでなったのは、これが唯一のケースである。

ユダヤ人の多様性

おもにドイツ語やイディッシュ語を母語とするドイツ・東欧からの移民で、エリート層を占める。イスラエル独立以前からの移民は アシュケナジームが多く、都市は西洋風である。無神論者も多い。独立以降は旧ソ連・ロシアからの移民が大半を占め、全ユダヤ人の2割を占めている。

東アフリカや北アフリカなどのイスラム教圏、地中海や北海・バルト海などのヨーロッパ沿海部からの移民が多い。 失業率も高く、多くは辺境の砂漠地帯での居住・生活を甘受している。イスラエル国家の独立後に移住してきた場合が多い。

現在ではユダヤ教徒の一派として認められている。

ハザールとの関連も唱えられるテュルク系言語の話者。 その他、ユダヤ教に改宗した人々(ブラック・ジュー、ミゾ)などもユダヤ教徒として住んでいる。

交通

国土が狭いイスラエルでは、車、バス、トラックなどが主な交通機関である。近年、車の急速な増大に対応し、辺鄙な地域への交通 の便を図るため、道路網の拡充が図られた。

イスラエルは2011年から国家プロジェクトとして電気自動車の導入を推進している。イスラエルは国土が小さいうえ、主要な 石油原産国である近隣アラブ諸国との関係から電気自動車の導入に積極的である。

イスラエル鉄道は、エルサレム、テルアビブ、ハイファ、ナハリヤの間で旅客運送を行っている。 テルアビブとハイファでは、道路の交通渋滞を緩和するため、既存の路線を改善した高速鉄道サービスが導入されつつある。

国際線を運航する航空会社として国営航空会社のエル・アル航空とアルキア・イスラエル航空、イスラエアーがあり 、テルアビブのベン・グリオン国際空港をハブ空港として中東やヨーロッパ、日本を含むアジア、アメリカ諸国に路線を設けている。

通信

電話および携帯電話が広く利用されている。国際電話番号は972。

イスラエルのインターネット普及率は高く、主な場所で無線LANが利用できる。インターネットカフェも普及しており、 店内は禁煙の所が多い。日本の漫画喫茶のように雑然としておらず、 端末ごとに整然と区画されている。

医療

健康保険は1995年に、国民新保健医療法(NHCL)が成立し18歳以上の全国民に加入を義務づける国民皆保険となっている。 社会福祉支出はOECDの2012年のデータによると、2007年と比べ21.2%増加しているものの、GDP比15.8%でOECD諸国平均21.9%より低い値となっている。

相対的貧困率は2012年のデータで20.9%とOECD諸国でもっとも貧困率が高い。しかし、2012年の人間開発指数は0.900の「非常に高い」 となっており世界16位である。

出生時平均余命はOECDの2013年に公表されたデータによれば、2011年度は81.8歳となっており、先進国の中でも9位となっている。 また、国連開発計画の2012年のデータによれば81.9歳で、世界で7位となっている。

長寿国であるため高齢者問題も大きな課題となってきている。特に旧ソ連からはソ連崩壊に伴い、100万人近くが移民してきたが、 そのうち12%以上が65歳以上の高齢者であったという。

高齢者は公共交通の割引や減税を受けられ、また高齢者介護を理由に 有給休暇を認める法律も制定されている。終末期医療については2006年に法律が制定され、尊厳死が認められている。

教育

イスラエルは「ジューイッシュ・マザー(ユダヤ人の母)」という言葉が教育ママを意味するように、教育が重視されている。これには ユダヤ人が歴史的に教育熱心であったという背景もある。

イスラエルの教育は小学校6年、中学校3年、高等学校3年の6-3-3制である。義務教育は5歳から始まり、義務教育期間は5歳から18歳 までである。

1949年に義務教育に関する法が施行された時点では5歳から15歳までであったが、法改正により18歳までとなっている。 この期間延長は徐々に移行が進んでおり、イスラエル政府は2014年か2015年には全国に適用させる予定としている。

義務教育期間と高等学校までの学費は無料である。18歳になると通常は兵役に就き、その後進学する者は大学に入学 することになる。入学にはアメリカのSATに類似した試験が年に4回ある。兵役後も海外旅行などで見聞を広めてから大学に進学するものも多い。

教育水準は高いが、欧米との結びつきが強いためか、優秀な研究者がイスラエルを離れ海外移住することも多く、この頭脳流出は大きな 問題となっている。

結婚

イスラエルは宗教婚のみ認めており、民事婚は認めていない。ユダヤ教はもちろんイスラム教など各宗教ごとに宗教裁判所が存在し、 婚姻などを管轄している。

結婚の際、伝統的には女性は婚姻に際して夫の姓を称するが、いつでも自己の未婚時の姓または従前の夫の姓を夫の姓に 付加することができ、また、未婚時の姓または従前の姓のみを称することもできる。

文化

食文化

イスラエル国民の中には外国の食文化を楽しむ者もおり、2017年の朝日新聞の記事によると世俗派の間で豚骨スープのラーメンが 人気であるという。

音楽

ピンカス・ズーカーマン、イツァーク・パールマンをはじめとする優れた音楽家を多数輩出している。イスラエル・フィルは、 世界屈指のオーケストラと評価されており、多くの演奏家が共演している。

スポーツ

イスラエル国内ではサッカーが最も人気のスポーツとなっており、1999年にプロサッカーリーグの『イスラエル・プレミアリーグ』 が創設された。UEFAチャンピオンズリーグでは国内リーグの強豪クラブ、マッカビ・テルアビブFCが本大会へ2度出場している。

イスラエル人の著名なサッカー選手にはイングランド・プレミアリーグで長年プレーし、主にリヴァプール で活躍したヨッシ・ベナユンが知られている。

バスケットボールはサッカーの次に人気の競技となっている。1953年にプロバスケットボールリーグの『イスラエル・バスケットボール・ プレミアリーグ』が創設されており、マッカビ・テルアビブBCはユーロリーグで唯一連覇を果たしている屈指の強豪である。

また、イスラエルにはプロレスやボクシングはないものの、イスラエル人のキックボクサーや総合格闘家は存在する。 かつては競馬もなかったが2006年10月に初めて開催された。ただし金銭を賭けることは禁止されているため、 入場者は馬が走る姿や馬術競技を観戦するだけの純粋なスポーツとして行われている。