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イタリア

イタリア共和国は、南ヨーロッパに位置する共和制国家。首都はローマ。 北をスイスとオーストリア、 西がフランス、 東はスロベニアと国境を接している。南は地中海が位置しており、アルバニア、アルジェリア、クロアチア、ギリシャ、 リビア、マルタ、モンテネグロ、スペイン、チュニジアと海上境界線を共有している。また、国土には独立国として小規模である バチカンとサンマリノが存在している。

イタリアはヨーロッパにおける古代文化の発祥地の一つとして知られ、同時に世界的な文化大国の一国に数えられている。文化・学問・宗教で歴史的 に影響力を発揮しており、バチカン市国を首都ローマの領域内に事実上保護し、レオナルド・ダ・ヴィンチやガリレオ、ミケランジェロ、コロンブス、 マキャヴェリといった偉人たちの故国でもある。かつてのローマ帝国の中枢となる地域であり、またルネサンスやリソルジメントなどの幾つかの 世界史的事象の主要な舞台となった。

また、高い人間開発指数を持つイタリアは文化・経済ともに先進国であり、名目GDPでは世界第8位かつそれを購買力平価で補正したものは世界第12位、 ユーロ圏ではドイツとフランスに次ぐ第3位の経済規模を持つ経済大国である。

国際連合、北大西洋条約機構、G7、G20、OECD、欧州評議会、地中海連合、パリクラブの一員であり、ヨーロッパにおける四大国「ビッグ4」や、文化的・ 経済的・政治的に大きな影響を及ぼす列強の一角に数えられる。また、コンセンサス連合の参加国であると同時に主導国である。軍事面では 、世界第8位の軍事力を有している。

総面積は30万1,338km2で、ロ・スティヴァレと称される地中海に突き出たブーツ状のイタリア半島を中心に、地中海に浮かぶシチリア島 とサルディーニャ島を主要な領土としており、いくつかの小島も領有している。北部にはアルプス山脈が、半島に沿ってアペニン山脈が走っており、 平野はその間にあるポー平原などに限られ、国土の40%が山岳地帯である。

気候は各地ともに温暖で、北部を除き国土の大部分は温帯の地中海性気候に属し、 これは農業と歴史に大きな影響を与えてきた。西に港へ適したリグリア海、東には大陸棚が海の幸を豊富にもたらすアドリア海、南東部には バルカン半島へと繋がるイオニア海があり、地理的に恵まれている。南にはティレニア海があり周辺にはストロンボリ火山やヴェスヴィオ山、エトナ山 などの火山が集まっていて、世界有数の地震地帯である。

イタリアは地中海に突き出した長靴型イタリア半島、および周辺の島から構成されている。 東はアドリア海、西でティレニア海とリグリア海、南でイオニア海と地中海に面している。国境を接する国としては、大陸部では西側をフランス、 北側をスイスとオーストリア、東側をスロヴェニア。

アドリア海を挟んで、クロアチア、アルバニア、ギリシアなどとも地理、歴史的に結びつきが強い。 キリスト教・カトリック教会の治めるバチカン市国があるが、これはイタリアの首都ローマが周囲を囲んでいる。ほかにもアドリア海近くの サンマリノ共和国を包み込むように接する。さらに、スイス領内には飛び地として面積1.7km2ほどのカンピョーネ・ディターリアを持つ。

政治

行政

国家元首は共和国大統領。選出方法は間接選挙制で、条件は50歳以上、任期は7年となる。

通常は内閣や議会の決定に基づく形式的な権限を行使するにすぎないが、首相任命権や議会解散権などを通じて実権を発動する可能性を秘めている。 行政は首相と内閣が統轄する。首相は、大統領が指名し、議会が承認する。各省の大臣は、首相の指名に基づき、大統領が任命する。 議院内閣制を採用しており、内閣は議会の信任を得なければならない。

立法

イタリア議会は元老院(上院)と代議院(下院)で構成される両院制(二院制)である。元老院は、任期5年の民選議員(315議席)、 および終身議員(現在8名)とで構成される。

大統領経験者は本人が拒絶しない限り、終身議員たる資格があるほか、科学や芸術などの分野で国の名誉を高めた功労者の中から大統領 が指名した者が終身議員となる。一方、代議院は全630議席で、任期5年の民選議員によって構成される。

また日本では衆議院の優越が認められているが、イタリアでは両院の権能は完全対等、双方とも大統領によって解散されうる。 憲法改革案を否決2006年6月25 - 26日、憲法改革案を問う国民投票が行われ、開票の結果60%を超す反対で否決された。

司法

イタリアの刑事司法は市民6人と裁判官2人が一緒に審理する参審裁判と裁判官だけによる裁判がある。

軍事

冷戦期においては、ソ連の黒海艦隊を仮想敵対目標として地中海地域での戦闘行為のため大規模な海軍戦力を擁していた。今日でも海軍重視の傾向は 変わらず、法改正によって保有が可能となった軽空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」に次いで軽空母「カヴール」が戦列に加わるなど、 予算削減で新型戦車の配備が滞りがちな陸軍に比べて一層の強化が進められている。

日本の海上自衛隊とは装備面でも共通点が多く、海軍国としての役割も類似している。また、 カヴールと入れ替わる形で旧式化しつつあったガリバルディは大規模改修を受けてヘリコプター揚陸艦としての運用が開始されたほか、ガリバルディの 後継艦として3万トン級強襲揚陸艦「トリエステ」が現在艤装中である。

4万5,879名の要員からなり、F-16・タイフーンなど一線級の空軍機を保有している。航空機の国産化にも熱心で、アエリタリア部門 が開発したG.91軽戦闘機は戦後復興からまもない時期でありながら高い性能を誇り、同じく国産にこだわるイギリスやフランスは拒んだものの、 ドイツ空軍やポルトガル空軍への採用が決定し、「ジーナ」の愛称で20年ほど前まで長らく愛用されていた。KC-767などのように、 世界でイタリアと日本のみが保有する機種もあり、組織間交流も盛んである。

近年はタイフーンに見られるような欧米での共同開発機に意欲を見せ、空母を増産した海軍の意向もあってか、オランダとともに F-35の開発計画でイギリスに次ぐ協力を示している。

正式名称はカラビニエリで、国家憲兵である。日本では、そのままカラビニエリと称するほか、「国家憲兵」「憲兵隊」「国家警察」「国防省警察」 「軍警察」などさまざまに訳されている。

平時は各種の警察活動として、警備や事件・事故対応、マフィアや反政府グループなどの犯罪組織の摘発などを担当しており、戦時には戦地 での警察・憲兵活動を行う。またテロ対策・要人警護・人質救出などを担当する独自の特殊部隊を保持しており、同部隊はイラク戦争など 海外戦争においても戦歴を重ねている。

同国の諜報機関は、イタリア独立戦争のときから軍部内に存在した。試行錯誤により成長したが、民間と連携しないわけにはいかなかった。 その相手は大手海運会社であった。19世紀末にグリエルモ・マルコーニが短波無線を発明し、20世紀初頭に軍事・海運 で実用化されていったため

暗号解読が諜報機関の大切な仕事になった。第一次世界大戦が終わって海外へ移住する者が多くなり、諜報機関は国内外の管轄を分けて動くようになった。

経済

イタリア国内は気候、土壌、高度が地域差に富んでいるため、旧来さまざまな農作物の栽培が可能である。ポー平原を中心に半島全体で冬小麦を産する。 半島南部沿岸で野菜と果物が採れる。イタリアは世界有数のワイン生産国であり、オリーブとオリーブ・オイルの生産量も多い。酪農も主要な産業であり、 ゴルゴンゾーラ、パルミジャーノ・レッジャーノをはじめ約50種類のチーズが生産される。

第二次世界大戦以降、工業が急速に発展し、農業国から転換した。重要な工業に、繊維工業と、硫酸、アンモニア、水酸化ナトリウムの製造 などの化学工業がある。そのほか自動車、鉄鋼、ゴム、重機械、航空機、家電製品、パスタなどの食料品の製造業が盛ん。工業の中心地はジェノヴァ、ミラノ、ローマ、 トリノである。

IMFによると、2018年のイタリアのGDPは2兆722億ドルである。世界8位であり、EU加盟国ではドイツ、フランスに次ぐ3位である。また、 同年の1人あたりのGDPは3万2,747ドルである。

貿易とエネルギー

イタリアの森林業資源は乏しく、FAOの2017年の統計によれば、森林率は31.97%であり、木材の多くを輸入に頼っている。森林はまず古代ローマ人 によって、その後19世紀に大部分が伐採されてしまった。それぞれの目的はマラリア防止と近代化であった。その結果土壌の浸食が進み、 林業の発展の障害となってはいたが、状況の好転がみられる。

イタリアはエネルギー資源の輸入国であり、ガス、石炭、石油の大部分を外国に依存している。チェルノブイリ発電所の事故以来、原発は停止している。

南北格差

戦前からミラノとローマがイタリア金融の中心である。主要銀行としてはEU圏1位の資本を持つウニクレディトなどがある。 イタリア経済が依然として抱える課題は、南部の工業化の遅れである。ミラノやトリノなどの北部は工業化が進んでいるが、 南部やサルデーニャなどの島嶼部は農業や観光業や軽工業中心で南北格差が大きい。

花形産業

イタリアの経済に占める自動車産業の割合は、国内総生産の8.5%にものぼる。国内ではコンパクトカー、エコノミーカーが上位を占め、 エコロジカルな自動車の売れ行きが伸びている。輸出車の売上高は800億ユーロ規模である。

19世紀ごろから近代服飾・装飾産業が発展し、20世紀から現在にかけては、服飾ブランドのベネトンやプラダ、グッチ、 ジョルジオ・アルマーニやジャンニ・ヴェルサーチ、ジャンフランコ・フェレ、バレンチノ、靴のサルヴァトーレ・フェラガモ やトッズ、宝飾品のブルガリなどが世界各国に輸出されている。

イタリアは幼稚園の先端的教育方法でアトリエリスタと呼ばれる芸術的、工芸的活動の専門家を配置し、人間を育成している。 ヴァイオリンなどの楽器、ガラス細工や工芸美術品もおもな産業となっている。

ほかにも伝統的に映画産業や観光産業が盛んである。イタリア映画のみならず、イタリアを舞台にした映画が世界中で作られ公開されており、 それらの映画が観光産業を後押ししていると評価されている。

世界観光機関によると、2015年イタリアの国際観光客到着数は5位であり、世界経済フォーラムの2017年旅行・観光競争力レポートによると イタリアの競争力は136か国中8位である。

交通

アウトストラーダ と呼ばれる有料高速道路網が整備されはじめた。さらに、フィアット社のバックアップもあり高速道路網が全土に敷き詰められている 。ただし車が便利と言い切れない。在ミラノ日本国総領事館は、「イタリアにおける運転手のマナーはほかの国と変わらず自己中心的 で交通ルールはあってないようなもの、交通事故の危険性も日本に比較してはるかに高い」と説明している。

フェッロヴィーエ・デッロ・スタートのグループ会社であるトレニタリアと呼ばれる旧国鉄の業務を引き継ぐ民営鉄道会社が全土を網羅し、 ローマ-フィレンツェ間の高速新線を中心にユーロスター・イタリアと呼ばれる高速列車も多数運転されている。

旧国鉄以外ではヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ(NTV)、チルクムヴェスヴィアーナ鉄道やスッド・エスト鉄道などがある。 また、ローマ、ミラノ、ナポリなどの主要都市には地下鉄が整備されている。一部の都市では路面電車やケーブルカーが走っており、 市民の足となっている。

ローマ帝国時代前から地中海海域の海運の要所として重要な地であったこともあり、海運が古くから盛んである。現在も地中海 クルーズの拠点とされることも多く、有名な港としてはナポリやヴェネツィア、ジェノヴァ、ブリンディジなどがある。

政府が主要株主のアリタリア航空が、イタリアのフラッグキャリアとして国内線と域内および中長距離国際線を運航するほか、 イタリアを本拠地として運航を行う航空会社として、メリディアーナ航空や、エア・ドロミティなどの航空会社があり、それぞれが国内線や域内国際線を運航している。

国民

少子高齢化が進み、1人の高齢者を2.9人で支える高齢社会に突入しており、OECD各国では日本、ドイツの次に少子高齢化が進行している。

民族構成

古代ローマ人を祖先とするイタリア民族が国民の主流を占める。国家公用語のイタリア語がロマンス諸語に属することや、 ローマ人がラテン人を中心とした勢力であったことから一般的にラテン系と考えられることが多い。 イタリア統一後、標準語の制定、方言や地方言語の廃止、徴兵制や初等教育の普及によって国民の均一化を進め、段階的に民族意識の浸透が進んだ。

移民大国のフランスやドイツには及ばないものの、2016年における外国人人口は502万6,153名を数え、イタリア国民の1割近くに達しつつある。

言語

公用語はイタリア語。エスノローグによる調査では、イタリア国民のうち約5,700万名がイタリア語を使用している。

婚姻

婚姻においては基本的に夫婦別姓となっているが、結合姓も認められている。 子の姓に関しては、伝統的には父親の姓としていたが、父親の姓としなければならないという法律は存在しないとの理由で、 母親の姓を子の姓としてよいことが裁判を通し2012年に認められた。また、イタリアはきわめて離婚が少ない国として知られている。

宗教

キリスト教のカトリック教会が75.2%と最大で、残りの大半が無宗教または無神論者で、数%のムスリムのほか、その他宗教が1%未満となっていた。

医療

イタリアの医療は、1978年より税金を原資とするユニバーサルヘルスケアが施行されており、公営・民営の混合制度となっている。 公営制度はServizio Sanitario Nazionaleと呼ばれる公費負担医療であり、保健省が方針を定め、現場は地方自治体が運営している。 保健支出は2008年にはGDPの9.0%ほどであり、OECD各国平均の8.9%より若干上であった。2000年にはWHOより、医療制度の効率性は世界2位、 市民の保健状態については世界3位と評されている。

平均余命は82.7歳、2013年には世界8位であった。健康上のリスクとしては、イタリアはほかの西欧各国と同様に肥満者が増えており、 人口の34.2%が太りすぎと自己申告、また9.8%が肥満だと自己申告している。日常的な喫煙者は2008年では人口の22%であり、2005年からは公共のバー、 レストラン、ナイトクラブにおいては隔離された喫煙室が設けられるようになった。

治安

イタリアの治安は、ヨーロッパ諸国の中で最も不安定さが顕著な状態となっている。イタリア政府は犯罪組織の取締りの強化ならびに不法移民問題 の解消などを中心とした総合的な治安対策に取り組んでおり、その甲斐もあって効果が現れて来ている。

2016年のイタリア内務省の統計によると、犯罪認知件数は約250万件で前年と比較すると7.99%減少している。しかし、それに反してスリが約16万件、 ひったくりが約1.7万件と多数発生していることから、イタリアに滞在中はこれらの犯罪に対して用心と予防が必要となって来る。

警察

イタリアにおける法執行機関・警察機構は、複合であり、国家レベルの組織のみでも5つある。その他に、地方自治体の警察組織として、 県レベルの地方警察 、コムーネレベルの自治体警察 がある。

マフィア

歴史が示すように、マフィアはイタリアの経済と社会に多大な影響力を持っている。マフィアとは元来 中世後期にシチリアで生まれた秘密結社で、 親族組織からなり、冷酷な暴力とオメルタという厳しい掟で知られる。19世紀後半にはシチリアの田園地帯を支配し、地方当局への介入、 ゆすり、市民に対するテロ活動を行っていた。

文化

北イタリアのトスカーナ地方はルネサンス発祥の地であり、またその中心地でもあった。この影響下で数多くの芸術家が輩出され、同時に作品も制作された。 また、ジュゼッペ・ヴェルディの『アイーダ』などオペラや音楽なども多く知られる。民衆音楽ではカンツォーネと呼ばれるナポリの歌謡曲が有名である。 バレエの発祥の地ともされる。現代においてもノーベル賞作家を輩出し、映画においても絶えず世界的な作品を送り出している。

食文化

イタリア料理は地方色が強く各地方料理の集合体のようなものであり、北部はバターやチーズを多く使い、南部はトマトやオリーブオイルを多用する 傾向がある。また沿岸部は魚を食べるが、内陸部はほとんど食べない、シチリア島はマグリブの食文化の影響があり、北東部はオーストリア料理 やハンガリー料理など中欧に近い食文化があるなど地域色豊かである。

おもにパスタやパンを主食とし、北部のポー川流域では米をよく食べる。北部の一部地域にはパンの代用としてトウモロコシの粉でできたポレンタ を食べる地域もある。イタリア料理のピザなどもある。

食事にワインを合わせる習慣があり、基本的にはその土地のワインを飲む。また、サラミ、ハムなどの肉製品、チーズの種類の豊富なことも特徴である。 コーヒーの消費も多く、イタリア式のいれ方にはエスプレッソ、カプチーノ、カフェ・ラッテが有名。一方、ヨーロッパの国としては珍しくタコも食べる 。

文学

近代イタリア語の基礎はフィレンツェの詩人ダンテ・アリギエーリによって創設され、彼の偉大な作品『神曲』は中世ヨーロッパで最高の文学作品 だと考えられている。イタリアはそれ以外にも祝福された文学者に不足しなかった。

哲学

ルネサンスの時代には、ジョルダーノ・ブルーノやマルシリオ・フィチーノ、ニッコロ・マキャベリ、ジャンバティスタ・ヴィコのような 傑出した哲学者が現れた。

20世紀前半において、イタリアではベネデット・クローチェやジョヴァンニ・ジェンティーレによって新ヘーゲル主義が新観念論に昇華した。 ジェンティーレの哲学はファシズムの理論的支柱となった。

そのほかにも特筆されるべき哲学者として、マルクス主義の新たな読み方を発見し、 サバルタンやヘゲモニーといった概念につながる思想を生み出したアントニオ・グラムシや、市民社会論的にヘーゲルを読み直した ジョエーレ・ソラーリが挙げられる。

音楽

現在も世界で用いられる音楽用語の多数がイタリア語であることからもわかるように、イタリアはルネサンス音楽の後期からバロック音楽、 古典派音楽の時代において西洋音楽の中心地であった。ルネサンス音楽ではジョヴァンニ・ダ・パレストリーナが知られている。

バロック音楽初期ではクラウディオ・モンテヴェルディ、中期ではアレッサンドロ・スカルラッティ、アルカンジェロ・コレッリ、 後期ではアントニオ・ヴィヴァルディが名高い。

古典派音楽時代も当時としてはイタリアが音楽の中心地であったが、現代の視点から見れば、18世紀終盤からウィーン古典派の台頭、 続くヨハン・ゼバスティアン・バッハの復権などによって主導権はドイツ・オーストリ圏に移った。古典派音楽時代のイタリアの作曲家にはドメニコ・チマローザ、 ルイジ・ボッケリーニなどがいるが、ウィーン古典派に比べ、現代では演奏機会は比較的少ない。

ロマン派音楽時代もオペラに関してはイタリア音楽は人気を集め、前期においてはジョアッキーノ・ロッシーニ、ヴィンチェンツォ・ベッリーニ、 ガエターノ・ドニゼッティらが活躍した。中期においてはジュゼッペ・ヴェルディ、後期にはジャコモ・プッチーニらの作曲家を輩出した イタリアがなお大勢力を保ち続け、今なおオペラといえばイタリアというイメージは強い。

一方で、交響曲など器楽曲分野では19世紀以降は発展が滞り、20世紀初頭の近代音楽の時代に入ってオットリーノ・レスピーギ やジャン・フランチェスコ・マリピエロらが魅力的な作品を発表したが、既に音楽発展の中心地ではなくなっていた。 現代音楽においてはルイジ・ノーノやルチアーノ・ベリオが名高い。

美術

ルネサンス後期のイタリア美術をマニエリスムという。それ以降、イタリア独自性は作品から消えてしまった。 19世紀後半、色彩豊かなマッキア派が登場した。

20世紀はじめに未来派という好戦的なモードが生まれた。1910年代は形而上絵画という抽象画 の量産が社会不安を象徴した。イタリアらしさは外圧に原像をかき消されて表現できなくなっていった。 第二次世界大戦後にアルテ・ポーヴェラやトランスアバンギャルドといった美術運動がみられた。

映画

イタリア映画の歴史はリュミエール兄弟が活動写真の公開を始めてからわずか数か月後に始まった。最初のイタリア映画は、 教皇レオ13世がカメラに祝福して見せた数秒間のものだった。イタリアの映画産業は1903年から1908年の間に3つの映画会社とともに生まれた。 ローマのチネス、トリノのアンブロシオ、イタラ・フィルム社がそれである。

ほかの会社はすぐにミラノやナポリに設立された。まもなくこれら最初の会社は公正な制作力に達し、作品はすぐに外国に売られていった。 映画はのちにベニート・ムッソリーニによって第二次世界大戦までプロパガンダのために使われた。

建築

イタリアは歴史上、非常に多様かつ幅広い建築様式を持っており、その起源は紀元前のローマ帝国時代にまで遡ることが出来る。 また、1861年まで同国地域が小国の設立など様々な形で分割されていたため、時代や地域で分類することは簡単に出来ないものとなっており、 ヨーロッパにおける建築のカテゴリーでも複雑化した状態となっている。

世界遺産

イタリア国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が45件、自然遺産が4件存在している。2014年時点で、 世界遺産がもっとも多い国である。

スポーツ

イタリア国内では伝統的にサッカーと、F1やミッレミリアなどのモータースポーツが最も人気のスポーツとなっている。 さらに自転車競技やマリンスポーツ、プロリーグもあるバレーボールなども盛んである。また、北部山岳地域にコルティーナ・ダンペッツォ などのスキーのリゾートが多数あることから、ウィンタースポーツも人気である。中部にはアペニン山脈があり登山も盛んとなっている。近年、シックス・ネイションズ に加わった影響もありラグビーも人気が高まっている。バスケットボールなどのアメリカ発祥のスポーツも、他のヨーロッパ諸国に比べると盛んである。

カルチョと呼ばれる16世紀のイタリアに起源を持つフィレンツェ古代サッカー発祥の地として知られ、イングランドフットボールと双璧の存在となっている。 イタリアはこれまで数多くのサッカー選手のスタープレイヤーを輩出してきた強豪国であり、FIFAワールドカップにはこれまで全21回中18回出場し 4度の優勝を経験しており、準優勝にも2度輝いている。さらにUEFA欧州選手権でも2度優勝を達成し、準優勝も2度経験している。

他のスポーツではバスケットボール、モータースポーツ、自動車スポーツ、バイク、自転車、野球、登山、競馬が盛んである。