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モナコ

モナコ公国は、イタリアのリグーリア州に隣接するコート・ダジュールに位置する西ヨーロッパの主権都市国家、ミニ国家である。北、東、西はフランスと、 南は地中海と国境を接している。

世界で最も物価が高く、裕福な場所のひとつとして広く知られている。公用語はフランス語であるが、モナコ語、イタリア語、英語も話されており、 多くの人が理解している。

面積は2.1 km2 で、バチカン市国に次いで世界で2番目に小さい主権国家であるが、1平方キロメートルあたりの人口が19,009人であることから 、世界で最も人口密度の高い主権国家となっている。モナコの陸地の境界線は5.47km、世界で最も短い海岸線は約3.83kmで、その幅は1,700〜349mの間 である。

州内で最も高い場所は、レ・レヴォワール区のモント・アゲルの斜面にあるシュマン・デ・レヴォワールと名付けられた細い小道で、海抜は161mである。 公国はイタリアとの国境から約15kmに位置している。最も人口の多い区はラルボット/バス・ムーラン区で、2008年時の人口は5,443人である。埋め立て により、モナコの国土は20%拡大した。2005年の面積はわずか1.974平方キロメートルであった。

海洋保護の研究の中心地であるモナコには、世界で初めて保護された 海洋生息地のひとつ、海洋博物館、国連組織の中で唯一の海洋研究所である国際原子力機関環境研究所がある。

ケッペンの気候区分では地中海性気候(Csa)に属する。夏は極端に暑くならず、冬は極端に寒くならない穏やかな気候で、降雪は10年に1度か 2度しかなく非常に珍しい。

政治

政体はグリマルディ家が世襲する大公を元首とする立憲君主制である。「公国」ながら日本ではしばしば元首を「大公」 と呼ぶ背景は「公国」の概要の項目を参照。

なお、1918年にフランスと結ばれた条約からモナコはフランスにより保護的な一定の主権の制限を受け、外交・軍事はフランスが責任を持っていた。 この条約により、モナコ大公の即位継承にはフランスの同意が必要となり、また大公家が断絶した場合はフランスに編入されることになっていた。

その後、2005年の新条約ではフランスとの特別な協調関係は維持するが、外交面での制限が緩和され、大公家が断絶してもモナコ公国の存続を 保証した。

行政

元首である大公のもとに、首相に相当する「国務大臣」が任命されて政府を組織する。「国務大臣」の下に、対外関係省、財務経済省、内務省、 社会厚生省、設備・環境・都市開発省をそれぞれ所掌する5名の「政府顧問」が置かれており、これが他国での大臣に相当する。

国際・外交関係

外交面では従来、モナコが他国と外交関係を結ぶ際にはフランスの事前同意が必要と定められていた。日本政府はこれをフランスとの条約とも併せて 「国家主権の制限」と看做し、長らく正式な国交は樹立されなかったが、代わりにモナコ「名誉総領事館」が、1973年に東京に設置された。

外交に関するフランスとの規定は2005年の条約で改められ、フランスの事前同意が無くても国交を結べるようになり、日本とモナコの間でも 2006年12月14日に外交関係が樹立され、2007年に駐フランス日本大使がモナコを兼轄することとなった。なお、モナコ国内に大使館はない。

それまではモナコは、日本政府が承認している国の中で唯一、外交関係を 有していない国だった。一方、モナコも日本を担当する大使を任命しているが、本国駐在であり、日本国内に大使館は置かれていない。

モナコは1993年に国連へ加盟しており、現在も国連と積極的に関わっている国の代表として認知されている。また2004年10月4日付で欧州評議会 へ加盟している。欧州連合(EU)の加盟国ではないものの、フランスとの関税同盟および公式の通貨としてのユーロを通じて、 EUの経済機構と密接な関連性を持ち合わせている。国際水路機関(IHO)がモナコに本部を設置している。

モナコは、1963年5月13日の関税条約によりフランスと関税同盟の関係にあり、EU関税法第3条第2項(a)の規定によりEUの加盟国ではないが EUの関税領域となっており、フランスとの境界に税関は存在しない。

日本・EU経済連携協定第1・3条3の「欧州連合の関税領域の区域であって 1の規定の対象でないもの並びに附属書3-E及び附属書3-Fに規定する区域についても適用する」に基づき、モナコ産品について、 日本は日本・EU経済連携協定に基づくEPA税率を適用する。

軍事

軍事面では、フランスが領土防衛の責任を持つ。モナコは大公銃騎兵中隊を有しているが、事実上警備・儀仗部隊であり、他に消防隊も 市民防衛の一環として銃の訓練は受ける。2005年締結の条約により、「緊急事態」を除きフランス軍の派兵にはモナコ の同意ないし要請が必要となった。

経済

モナコの人口は3万人余りであるが、2009年のGDPは69億1900万ドルで、チャドやベナンなどアフリカの人口1000万人程度の中規模国に匹敵する。 また人口56万人を擁する鳥取県の県内総生産の30%程の経済規模である。2008年または2009年の1人当たり国民総所得は18万3150ドルで、世界銀行に よれば、統計のある国連加盟国・非自治地域中トップであり、世界で最も裕福な地域の1つとされる。

主要な産業は観光で、特にカジノは、19世紀の一時期は国家収入の9割を占めていたこともある。なお、現在では5%以下であり、経営も半官半民 のソシエテ・デ・バン・ド・メールへ移管されている。郵便切手の発行が重要な収入源となっていたこともある。

モナコはタックス・ヘイヴンのひとつとして知られており、他国からの移住者の多くは億万長者である。 2011年3月 には、イギリスのシンクタンクにより世界第51位の金融センターと評価されている。

モナコは欧州連合の加盟国ではないが、フランスとの通商関係が緊密で、通貨もフランスと同じユーロを使用している。2002年以前はモナコ も独自のフラン硬貨「モネガスク・フラン」を鋳造していた。現在も、各国が自由にデザインできる硬貨の裏面を モナコ独自のデザインにした独自のユーロ硬貨を製造する権利を有している。

化粧品製造が産業として確立しているため、周辺産業としてガラス加工、香水、化学薬品の製造が行われている。 同国にはモナコ労働組合連合という組織が存在する。この組織は1944年に設立されたモナコ最大の労働組合であり、欧州労働組合連合 へ加盟している。

タックス・ヘイヴン

モナコは個人居住者に対して所得税を課していない。 所得税がないため、モナコ国外からほとんどの収入を得ている富裕者の多くがこの国にやってくる。F1ドライバーなどの有名人も多いが、その多く は実業家である。2000年のフランス国会議員は、モナコはカジノを含め、資金洗浄に対し監視が甘い政策で、モナコ政府による圧力があり司法当局が疑惑に対して適切に調査していないという 疑いを報告した。

経済協力開発機構(OECD)のタックス・ヘイヴン報告では、モナコは2004年までリストアップされていなかったが、その後アンドラ、 リヒテンシュタイン、リベリア、マーシャル諸島などと共に、財政情報の公開や提供に協力的でないとして、タックスヘイヴン としてリストアップされた。国際通貨基金(IMF)も2003年までに他の36地域と共にタックスヘイヴンと認定した。

交通

モナコ国内の鉄道は、モナコ政府ではなく、フランス国鉄(SNCF)が運営する。マルセイユ~ニース~モンテカルロ~マントン~ヴェンティミーリア 間の路線の一部を成している。モナコ国内の鉄道路線は約1.7kmである。

1867年にモンテカルロ駅が開業した。当初は地上に鉄道の線路が敷かれていたが、狭隘な土地の有効活用の目的もあり、 1958年~1964年にかけて、モンテカルロ駅から東の区間を地下化した。その後1993年~1999年にかけて、モンテカルロ駅の移転・地下化と、 モンテカルロ駅から西の区間を地下化した。これにより、モナコ国内の鉄道は、ほぼ全区間が地下線となっている。

パリから直通するTGVが1日1往復存在する。所要時間は約6時間。 モナコの海港は2ヶ所のみとなっている。 モナコには空港が存在しない。ヘリ・エア・モナコが同国で唯一の航空機関となっている。

科学技術

1960年にレーニエ3世の主導で、同国唯一の科学研究所である「モナコ科学研究所(フランス語版)」が開設されている。

国民

モナコには38,682人の住民が住んでいる。 住民の内の9,486人がモナコ人である。

言語

言語は公用語に規定されているのはフランス語のみだが、その他リグリア語の一方言であるモナコ語、イタリア語、オック語の一つである プロヴァンス語などが少数話される。また、外国籍者が多いことから英語も通じる。

宗教

モナコのカトリック教会 宗教はローマ・カトリックが90%である。また、信教の自由は憲法によって保証されている。

治安

モナコの治安は比較的良好とされているが、盗難等の犯罪被害に遭う可能性があるとの報告が挙げられている[26]。

警察

モナコは世界で一人当たりの警察官の数が最も多い国の1つであり、38,000人の住民に対して517人の警官が存在している。

人権

モナコでは中絶が2009年から合法化されている。現在、この合法化を巡る問題が続いており現在も解決はしていない。

文化

食文化

モナコの料理はイタリアとフランスの食文化の影響を強く受けている面を持つ。

文学

ルイス・ノタリはモナコにおける「文学の父」として広く知られている。またノタリは、同国の国歌の歌詞を手掛けた人物でもある。

映画

モナコ国際映画祭が世界的に広く知られている。

世界遺産

モナコは現在、ヨーロッパにおける唯一の世界遺産未登録国である。

スポーツ

フランス・リーグ・アンで通算8度の優勝を誇っており、同リーグにおける強豪クラブの一つとなっている。ホームスタジアムは、フォン・ ヴュエイユ地区にあるスタッド・ルイ・ドゥである。

UEFAチャンピオンズリーグでは2003-04シーズンに準優勝に輝いている。2016-17シーズンではキリアン・エムバペやベルナルド・シウバ、 ラダメル・ファルカオなど数々のスター選手を擁して 欧州ベスト4の成績を収めた。

他にモータースポーツや陸上競技やテニスなどが盛ん。