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オランダ

オランダは、西ヨーロッパに位置する立憲君主制国家。東はドイツ、南はベルギーと国境を接し、北と西は北海に面する。ベルギー、 ルクセンブルクと合わせてベネルクスと呼ばれる。憲法上の首都はアムステルダム。

カリブ海のアルバ、キュラソー、シント・マールテンと共にオランダ王国を構成している。それ以外にも、カリブ海に 海外特別自治領としてBES諸島と呼ばれる、ボネール島、シント・ユースタティウス島、サバ島がある。

オランダは世界において、報道の自由、経済的自由、人間開発指数、クオリティ・オブ・ライフの最上位国 の一つである。2019年では、世界幸福度報告では世界第5位、一人あたりGDPでは世界第7位、人間開発指数で10位であった。2022年には、 積極的平和指数で世界第6位となった。

同国は、古くより他国で思想・信条を理由として迫害された人々を受け入れることで繁栄してきたという自負があるため、 何ごとに対しても寛容であることが最大の特徴といえる。

実際、2019年5月の欧州連合人種差別報告書によると、オランダはスウェーデンと並んで、欧州連合の中でアジア人に対する差別が 最も少ない国となっている。

< とりわけ日本にとっては、徳川幕府による鎖国政策に際し、キリスト教の布教活動禁止 という条件に欧州諸国で唯一応じ、長崎の出島を介した貿易を通じて欧州の近代文明を蘭学という形で日本にもたらし、 明治維新後の急速な近代化を推し進める礎となった。

2022年の今日も、ほかの欧州諸国に比して実に多くの移民が、その暮らしやすさのために、合法・非合法を問わず在住している。

一方、大麻等ソフトドラッグの販売・所持・使用、積極的安楽死が認可されており、いくつかの欧州諸国とともに合法化 されている。また、安楽死についても依然として見直しの議論が続いている。

1991年には刑法が改正され、16歳以上でポルノ出演、性行為が適法とされる。これに基づき、国の許可を得れば管理売春も合法である また税収増加、売春に従事する女性達の保護の充実などが実現したとも言われている。

13世紀以来、干拓により平均して一世紀に350平方kmの割合で国土を広げてきた。1836年に大洪水が起こり、ハーレルマー湖が干拓され、 スキポール空港が建設された。1927年、国土の中央よりいくぶん海よりに位置するゾイデル海を締め切り大堤防によって海から 遮ることを目論んだゾイデル海開発計画が発動された。6年の工事の末、大堤防が完成、以来アイセル湖と呼ばれている。

内部には4つの干拓地が設けられ、大阪府の面積に匹敵する1,650平方kmの耕地などが産まれた。多くの干拓地 が島のように密集して存在することから、オランダは「千の島の国」と呼ばれていた。

今日オランダの観光資源の一つとなっている風車は、15世紀以降、産業革命の影響によりその役目を終えるまで、主に干拓地の排水を目的に 建てられていた。その後、1953年2月1日の満潮の日に980hPaの低気圧がオランダ南西部を覆った。4.5m以上の高潮が発生し、破壊されたダムの長さ は延長500kmに及び、1,835人の犠牲者、家を破壊されたもの20万人というオランダ史上最大の洪水被害が生じた。

オランダ政府は再発を防ぐため、1958年にデルタ法を制定し、ライン川、マース川、スヘルデ川河口部全域に防潮堤防・水門・可動堰等 を設けるデルタ計画を明らかにし、1997年に工事を完遂した。なお、堤防・水門・堰・水路などの治水施設 の運営や干拓地の管理水位の決定は、州や基礎自治体から独立した行政機関である水管理委員会によって行われている。

オランダの気候は暖流の北大西洋海流の影響を受け、高緯度ながら温暖な西岸海洋性気候(Cfb)が広がる。季節による降水量の偏りはあまりなく 、50mmから80mmの降水が毎月見られる。

曇天が基調となる。北海からの風が強く、オランダはこの風を風力として長らく利用してきた。夏季は概して短く、冬季は 年によって寒暖の差が激しく、真冬日や氷点下10度以下の寒さになることも珍しくない。首都アムステルダムの年平均気温は9.7度、 平均降水量は798.9mm。1月の平均気温は2.3度、7月は16.5度である。

政治

政体は立憲君主制で、国家元首は2013年4月30日に即位したウィレム=アレクサンダー。 議会であるスターテン・ヘネラールは二院制で、第二院150名、第一院75名から構成され、議院内閣制をとる。

第二次世界大戦後、オランダは寛容な国風を基に福祉国家を築きあげたが、1970年代のオイルショックの後は、「オランダ病」と 呼ばれる不況と財政の悪化に苦しんだ。その対策として1982年にワッセナー合意が結ばれ、雇用の確保に努めながら企業の国際競争力 の向上を図ったことで、1990年代には経済成長と失業率の低下が実現し、「オランダ・モデル」として注目を集めた。

国際関係

欧州人権条約、ローマ法、世界人権宣言、欧州拷問防止条約、欧州社会憲章など、 関連するすべての国際人権文書に署名している。

オランダは、江戸時代の鎖国下で欧州諸国で唯一外交関係を維持した国である。当時オランダを通じてもたらされた学問・技術は 蘭学と呼ばれた。

1844年7月29日(天保15年)、オランダは、オランダ国王の親書を軍艦で江戸幕府に届ける旨をあらかじめ商船船長の ヒイトル・アオヘルト・ヒツキから江戸幕府に通知させたうえ、8月15日、軍艦の船長ハーエス・コープスからそれを届けさせた。

親書は江戸幕府が鎖国を解くよう、またオランダ船やその船員、日本人に対する待遇を改善するよう求めたもので、美術品や地図、 植物図鑑、天文学書などが付されていた。

オランダは対日貿易では赤字であり、2005年の貿易額は、日本からオランダへの輸出が1兆5,076億円、オランダから日本への輸入 が2,439億円。2004年の直接投資は、日本からオランダが7,764億円、オランダから日本が3,164億円で、いずれもEU加盟国中第1位となっている。

軍事

オランダ軍は陸海空三軍および国家憲兵隊の4軍種からなる。人員は約6万1,000名。冷戦期は徴兵制をとっていたが、 1996年に廃止された。現在は完全志願制の軍隊になっている。北大西洋条約機構に加盟しており、近年は欧州連合による地域紛争解決 のための欧州連合部隊にも加わるなど、集団安全保障体制を構築している。

経済

2020年のオランダのGDPは約8,863億ドルである。世界17位の経済規模であり、EU加盟国では5位である。また、同年の一人あたりのGDP は5万2,225ドルであり、世界的にも上位に位置する。

オランダ経済は、1980年代以降に政府が取った開放経済政策により国際貿易を中心として発展してきた。最大の産業は金融・流通を中心と したサービス産業であり、全GDPの3分の2を占めている。アムステルダムにはユーロネクストの取引所であるアムステルダム証券取引所(AEX)が置かれている。また、 ライン川の河口にあるロッテルダム港は欧州最大の港である。

事業を手がける場合には、各オプションについて賛否両論を比較検討し、メリットが上回れば、感情論は置いて決断する。こうした決断は オランダに限らず北欧のプロテスタント系の国々に見られる合理主義が徹底されている。その中でもオランダは、感情を超えて判断する 以外にも禁止事項を避けることで、秩序を保つことに成功している経済大国と言えるだろう。

エネルギー・資源産業では、オランダは天然ガスの大生産地であり輸出国でもある。石油精製産業も重要であり、代表企業としてシェル が国内だけでなく、石油メジャーとして世界中でエネルギー資源開発を行っている。

製造業では、ASMLに代表される半導体産業、ハイネケンなどに代表される食品・家庭用品産業、フィリップスに代表される電器産業、 アクゾノーベルやDSMに代表される化学産業が代表的な産業である。

税制では実効法人税率が周辺諸国より低い約25.5%に抑えられており海外からの企業誘致が進んでいる。雇用状況はとても良好である。 物価に関しては、オランダは従来より低物価政策をとっているため、比較的良好である。

しかし、統一通貨であるユーロを導入 してからは、同じユーロ通貨圏であるフランスや、特にドイツに対しては、若干高物価である。貿易面では資源を大幅に輸入し、高度な工業製品 を輸出する形態をとっており、ドイツが最大の貿易相手国である。

農業

オランダの農地農業は重要産業の一つであり、オランダはアメリカ合衆国に次ぎ世界第2位の農産物輸出国である。高度な集約化・機械化により 農業の生産性は欧州連合諸国の中でも高く、農民の生活は総じて豊かである。オランダ農業の発展は、土壌本来の肥沃さよりも創意と労力 に負うところが大きく、土地はむしろやせている。

また、チューリップをはじめとして花卉の生産がとても盛んである。オランダは世界の花市場の6割強を占めており、中でも世界最大規模の花卉 卸売市場であるアールスメール花市場は4割もの占有率がある。

果樹栽培は全国的に盛んであるが、リンブルフ州南部とヘルデルラント州およびユトレヒト州西部の 河成粘土地域は牧場か果樹園が一番多い。牧畜は牛乳とその製品が主目的であるが、乳牛の飼育と輸出も多い。

かつて政府が担っていた農家への普及指導業務は1990年代に民営化され、現在ではほとんどの農家が民間コンサルティング会社を利用している。 最大手のデルフィー社は日本を含めて約50か国に進出している。

工業

オランダの工業化は天然資源の欠乏のために遅れはしたが、19世紀半ば以後は成長を続けた。オランダは民間資本が豊富で、はじめは既存工業 の技術向上に力点を置き、乳製品、マーガリン、ジャガイモ澱粉、ボール紙など農産物利用の工業を主としたが、その後、電気器具、ラジオ、合成繊維、 機械部品のうな、原料をほとんど必要としない工業に資本と研究を注ぐようになった。コークス製造、化学工業から鉄鋼業まで発達する にいたったのである。

オランダは鉱物資源が乏しいにもかかわらず、20世紀に入って金属工業を確立した。すず、アルミニウム、亜鉛の精錬も行われている。 代表的な製造業としては製鉄、機械、電気機器、造船、航空機などの金属工業が第一に挙げられ、これについで食品加工業、化学工業 があげられる。航空機産業ではフォッカー社が小規模ながら健在で、短中距離用民間航空機フレンドシップ機を製造し、新機種の開発も進めている。

食品工業は、近年停滞気味の輸出の牽引力として有力視されている。ビールで有名なハイネケン、カクテルに使用されるリキュール やスピリッツの製造メーカーとして知られるボルスやデ・カイパーの本拠地はオランダである。

交通

オランダはヨーロッパの交通の要衝にあたっており、運輸・通信部門は早い時期から近代化されている。欧州連合の海の玄関口とも いわれるユーロポート港が、ライン川の河口にある。

主要空港であり物流拠点でもあるアムステルダム・スキポール空港は、2005年には91か国の260都市へ直行便を持っている。また 格安航空は南部のアイントホーフェン空港を主な発着拠点としている。

道路は欧州自動車道路の高規格道路によりドイツ、ベルギーなどの隣接国と直結しており、フランス北部からドイツ北部を経由 してポーランド方面への主要輸送ルートの一部ともなっている。

自転車交通も重要な手段の一つで、都市内外を問わず、ほぼすべての幹線道路に自転車専用レーンが設置されており、自転車と小型 のバイクが走行する。

エネルギー

オランダは天然ガスの世界第9位の産出国であり輸出国でもある。一方、石油や石炭は輸入している。一次エネルギー供給量の83%は国内生産 で賄われている。

天然ガスは、EU諸国内で2番目の生産量であり、EU内での総生産量の約30%に達している。2005年の推計では50〜60兆立方 フィートの埋蔵量があると言われており、世界全体の埋蔵量の0.9%を占めている。天然ガスは全生産量の3分の2を国内で消費し、 残りを輸出している。この輸出量は世界第5位である。

年間の総発電量は93.8兆kWhであり、そのうちの4%の4.1兆kWhが原子力発電によるものである。火力発電は、主に天然ガスと石炭により行われている。 近年、海上に大規模な風力発電施設が建設されるなど、再生可能エネルギーの利用も広く行われるようになってきているが 、総発電量に占める割合は2.37%と小さい。政府の目標としては2010年に再生可能エネルギーが総発電量に占める割合を10%にするという目標 も存在している。

国民

住民はゲルマン系のオランダ人が83%で、それ以外が17%である。 国土の大部分が平地であるため、人口密度は高いが比較的広々としている。人口は東京都と栃木県 を足したくらいで、その人口が、関東平野全体に広がったイメージである。 オランダの全居住者の平均身長は173.5cmであり、男性平均180cm、女性平均は男性よりも13cm低いとある。

言語

公用語はオランダ語。フリースラント州ではフリジア語も公用語として認められている。 識字率は99%で、国民の4分の3は2か国語を話すことができ、 44%は3か国語を、12%は4か国語を話すことができるとされる。英語のほか、フランス語やドイツ語などを話す人が多い。

婚姻

結婚の際には、夫も妻も、そのままの姓で結婚することも、配偶者の姓に変更することも、配偶者の姓の後に 自己の姓を後置することも可能である。なお、2001年より同性同士の結婚が認められている。

宗教

現在のオランダ国民は世界でもっとも宗教に関心がない国民の一つとされる。

教育

オランダでは、憲法に「教育の三つの自由」という考え方があり、200人の生徒を集めれば、法律に違反しない限り、どのような 学校を作ってもよい。そのためいろいろな特色を持つ学校が存在する。

医療

オランダにおいてはユニバーサルヘルスケアが達成され、強制保険システムとなっており、医療保険は民間企業が引受けている。 2016年にオランダは、どの国が欧州において最高の医療システムを持っているかを調査する欧州保健消費者指数において、1,000点 中の916点を獲得し1位となった。

労働

ワッセナー合意を経た結果、同国はパートタイム大国であり、労働者の3人に1人がパートタイム労働者となった 。法的に同一労働同一賃金が義務づけられ、フルタイムとパートタイムを自由に切り替えることができる。

平和

オランダは、他者の人権の受け入れ、汚職の少なさ、情報の自由な流れ、良好なビジネス環境、高いレベルの人的資本、 資源の公平な配分、十分に機能する政府、および近隣諸国との良好な関係によって決まる2022年の積極的平和指数で世界第6位を獲得した。 特に、「近隣諸国との良好な関係の構築」については、オランダが世界第1位となっている。

治安

オランダは置き引きやひったくりといった盗難に絡む一般犯罪が発生し易く、その被害件数も多いことが報告されている。

人権

同国における人権は憲法で成文化されている。 性役割は1970年代は「男は仕事、女は家庭」だったが、その後は変化し女性も労働市場へ参加するようになっている。

また、オランダでは安楽死が認められている。安楽死に関しては2001年に合法化されて以降「地域安楽死審査委員会」が設立されており、 峻厳な審査の下で安楽死を決定する事が可能となっているが、数多くの問題を抱えている一面がある。

同国では自立して生きることを第一に考えている人間が多く、自立できなくなったら、安楽死を選ぶというのは受け入れられやすい考え方 ではあるが、トラブルになることがあり近年見直されている。

なお、移民受け入れで有名なオランダだが、オランダ人もまた他国へ移住することが多い。 他の欧州の国に比べて、アジア人に対する偏見や差別意識は少ない。

通信

インターネット接続の普及率は欧州諸国内で最高の約80%に達している 。国内ほとんどすべての地域でDSLとケーブルインターネットの高速接続が利用でき、高速接続の普及率は31.9%とデンマークに続いて2位であり、 日本の20.2%より高い水準にある。